各論 各種病態におけるエネルギー、基質代謝の特徴と、至適エネルギー投与量 (熱傷)
重症広範囲熱傷患者の治療においては栄養療法が非常に重要である。熱傷患者はその受傷急性期の激しい高い代謝異化亢進状態がよく知られているが、その後も度重なる手術侵襲や感染合併により代謝亢進・エネルギー消費が続くため、その状態を放置すれば、早晩、生体予備能が枯渇し治癒機構が機能しなくなり臓器不全に陥り死に至る経過をたどる。よって、治療期間中のこのエネルギー消費および栄養状態をいかにしてモニターし、喪失される量をいかにして補うかが救命・回復のカギとなる。とくに近年は熱量の過量投与および高血糖状態は好ましくないとされ、間接熱量計を用いた代謝モニターが有効であり、適切熱量の投与およびインスリンを併用しての...
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Published in | Jomyaku Keicho Eiyo Vol. 24; no. 5; pp. 1059 - 1063 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本静脈経腸栄養学会
2009
Japanese Society for Parenteral and Enteral Nutrition |
Subjects | |
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ISSN | 1344-4980 1881-3623 |
DOI | 10.11244/jjspen.24.1059 |
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Summary: | 重症広範囲熱傷患者の治療においては栄養療法が非常に重要である。熱傷患者はその受傷急性期の激しい高い代謝異化亢進状態がよく知られているが、その後も度重なる手術侵襲や感染合併により代謝亢進・エネルギー消費が続くため、その状態を放置すれば、早晩、生体予備能が枯渇し治癒機構が機能しなくなり臓器不全に陥り死に至る経過をたどる。よって、治療期間中のこのエネルギー消費および栄養状態をいかにしてモニターし、喪失される量をいかにして補うかが救命・回復のカギとなる。とくに近年は熱量の過量投与および高血糖状態は好ましくないとされ、間接熱量計を用いた代謝モニターが有効であり、適切熱量の投与およびインスリンを併用しての積極的血糖コントロールが推奨されている。 |
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ISSN: | 1344-4980 1881-3623 |
DOI: | 10.11244/jjspen.24.1059 |