高分子ゲルの吸湿特性

高分子ゲル (スミカゲルN-100; サンウエットIM-1000) と無機高分子吸湿剤 (シリカゲル, セラ・ホワイト) の動力学的特性を, 蒸発器と吸湿剤充てん層からなる吸湿量測定システムを用いて検討した. 吸湿剤の吸湿等温線はFreundlich型, q*=m [Ps (Tw) /Ps (Ts) ] 1/nで良く相関することができ, 高分子ゲルの場合にはn<1, 無機高分子吸湿剤の場合にはn>1の形となった. 吸湿速度は, dq/dt=ksαp (q*-q); ksαp=k exp (-Ea/RT) の式で整理することができた. 高分子ゲルの吸湿平衡に達するまでの時間は, 無機...

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Published in高分子論文集 Vol. 46; no. 11; pp. 715 - 721
Main Authors 中野, 義夫, 山本, 隆史, 清田, 佳美, 鈴木, 治久, 下辻, 俊雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 高分子学会 1989
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ISSN0386-2186
1881-5685
DOI10.1295/koron.46.715

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Summary:高分子ゲル (スミカゲルN-100; サンウエットIM-1000) と無機高分子吸湿剤 (シリカゲル, セラ・ホワイト) の動力学的特性を, 蒸発器と吸湿剤充てん層からなる吸湿量測定システムを用いて検討した. 吸湿剤の吸湿等温線はFreundlich型, q*=m [Ps (Tw) /Ps (Ts) ] 1/nで良く相関することができ, 高分子ゲルの場合にはn<1, 無機高分子吸湿剤の場合にはn>1の形となった. 吸湿速度は, dq/dt=ksαp (q*-q); ksαp=k exp (-Ea/RT) の式で整理することができた. 高分子ゲルの吸湿平衡に達するまでの時間は, 無機高分子吸湿剤の場合と比較してかなり長いことが分かった. 吸湿時における吸湿剤層内の吸湿量qと温度Tsの変化を吸湿平衡関係, 吸湿速度, 吸湿熱による熱移動を考慮した簡単な数式モデルを用いてシミュレーションを行った. モデルの中に含まれているパラメーターを変化させてシミュレーションを行った結果, 合理的と考えられるパラメーターの値によって実験結果と計算結果は良い一致を示した.
ISSN:0386-2186
1881-5685
DOI:10.1295/koron.46.715