インフリキシマブ投与関節リウマチ症例における抗CCP抗体価の推移と臨床的意義
【目的】インフリキシマブ(IFX)を投与された関節リウマチ(RA)症例における抗CCP抗体価の推移を調べ、その臨床的意義をRFとの比較で明らかにする。【方法】対象は当科で2003年3月から2007年12月までにIFXを投与されたRA患者111例で、0、30、54週の抗CCP抗体価と患者背景、各種臨床パラメーターとの関連につき解析した。【結果】抗CCP抗体陽性率は87.4_%_であった。IFX投与により、抗CCP抗体価並びにRF値の開始時と比べた投与54週間後の変化率は、それぞれ-32.3%、-46.2_%_と有意に低下していた。抗CCP抗体の低下の有無と、IFXに対する治療反応性を解析するため...
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Published in | Nihon Rinsho Men'eki Gakkai Sokai Shorokushu Vol. 37; p. 134 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床免疫学会
2009
The Japan Society for Clinical Immunology |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1880-3296 |
DOI | 10.14906/jscisho.37.0.134.0 |
Cover
Summary: | 【目的】インフリキシマブ(IFX)を投与された関節リウマチ(RA)症例における抗CCP抗体価の推移を調べ、その臨床的意義をRFとの比較で明らかにする。【方法】対象は当科で2003年3月から2007年12月までにIFXを投与されたRA患者111例で、0、30、54週の抗CCP抗体価と患者背景、各種臨床パラメーターとの関連につき解析した。【結果】抗CCP抗体陽性率は87.4_%_であった。IFX投与により、抗CCP抗体価並びにRF値の開始時と比べた投与54週間後の変化率は、それぞれ-32.3%、-46.2_%_と有意に低下していた。抗CCP抗体の低下の有無と、IFXに対する治療反応性を解析するため、50%低下群と非50% 低下群の2群に分けたところ、抗CCP抗体50_%_低下群では、54週のACR50達成率が有意差に高かった(83% vs. 49%)。次に54週でのACR50達成群と非達成群で投与後30、54、102週における抗CCP抗体価の低下率を比較すると、全ての時点においてACR50達成群で低下率が有意な大きかった。一方、RFはいずれの時点でも2群間で有意差を認めなかった。【結論】IFX投与による抗CCP抗体価の減少率はRFより少ないながら、有効性と相関は前者のみに認め、RA診断時のみならず、治療後の経過観察における臨床的意義も示唆された。 |
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Bibliography: | 2-08 |
ISSN: | 1880-3296 |
DOI: | 10.14906/jscisho.37.0.134.0 |