発熱と胸部苦悶感を主訴に来院、入院直後に心室細動を生じ、突然死を来たした強皮症の一症例
症例は60歳の女性。平成元年に強皮症を発症し、以後当院で加療されていた。高血圧性心不全の合併があり、平成20年7月に入院加療された。平成21年2月26日の午前中に、発熱を主訴に来院。白血球11700、CRP 8.39と炎症反応を認めた。胸部苦悶感もあり、14時、精査加療目的で入院とした。入院時の心電図は著変なく、胸部XP、胸部CTでは心拡大や胸水貯留などの異常所見を認めなかった。14時35分、突如痙攣を生じ、そのまま呼吸停止をした。モニター上、心室細動の波形であった。14時40分にCPRを開始したが心拍再開せず、約40分後の15時13分に死亡確認をした。死亡当日に病理解剖を施行した。肉眼的病理...
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Published in | Nihon Rinsho Men'eki Gakkai Sokai Shorokushu Vol. 37; p. 156 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床免疫学会
2009
The Japan Society for Clinical Immunology |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1880-3296 |
DOI | 10.14906/jscisho.37.0.156.0 |
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Summary: | 症例は60歳の女性。平成元年に強皮症を発症し、以後当院で加療されていた。高血圧性心不全の合併があり、平成20年7月に入院加療された。平成21年2月26日の午前中に、発熱を主訴に来院。白血球11700、CRP 8.39と炎症反応を認めた。胸部苦悶感もあり、14時、精査加療目的で入院とした。入院時の心電図は著変なく、胸部XP、胸部CTでは心拡大や胸水貯留などの異常所見を認めなかった。14時35分、突如痙攣を生じ、そのまま呼吸停止をした。モニター上、心室細動の波形であった。14時40分にCPRを開始したが心拍再開せず、約40分後の15時13分に死亡確認をした。死亡当日に病理解剖を施行した。肉眼的病理所見として、冠動脈は正常、僧帽弁の弁尖および腱索の肥厚を認めた他、左室壁の肥厚、心内腔の拡大、心重量が450gと心肥大を認めた。肺動脈血栓は無く、軽度の気腫様変化を認めた。強皮症の心病変による心室細動の症例の報告はあるが、本例は剖検し得えた貴重な症例と考えられたため、多少の文献的考察を加えたうえ報告する。 |
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Bibliography: | 2-31 |
ISSN: | 1880-3296 |
DOI: | 10.14906/jscisho.37.0.156.0 |