様々な温度成層条件下の都市キャニオン内外におけるLESと標準k-εモデルの比較

様々な温度成層条件下の都市キャニオン内外を対象としてLarge-eddy simulation(LES),標準k-εモデル(k-ε)を用いたCFD 解析を行った.解析結果を風洞実験の結果と比較し,LES,k-εの予測精度について検討を行った.平均風速,平均温度についてLES は温度成層条件に関わらず風洞実験と概ね一致し,予測精度が高い.一方,k-εは安定条件においては比較的予測精度が高いが,不安定条件においては都市キャニオン内の平均風速の空間分布,平均温度の予測精度が低下する.LES,k-εはともに安定条件においては乱流エネルギーについて風洞実験と概ね一致するが,不安定条件においては都市キャニ...

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Published in生産研究 Vol. 68; no. 1; pp. 35 - 41
Main Authors 中島, 慶悟, 菊本, 英紀, 大岡, 龍三
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 東京大学生産技術研究所 01.01.2016
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ISSN0037-105X
1881-2058
DOI10.11188/seisankenkyu.68.35

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Summary:様々な温度成層条件下の都市キャニオン内外を対象としてLarge-eddy simulation(LES),標準k-εモデル(k-ε)を用いたCFD 解析を行った.解析結果を風洞実験の結果と比較し,LES,k-εの予測精度について検討を行った.平均風速,平均温度についてLES は温度成層条件に関わらず風洞実験と概ね一致し,予測精度が高い.一方,k-εは安定条件においては比較的予測精度が高いが,不安定条件においては都市キャニオン内の平均風速の空間分布,平均温度の予測精度が低下する.LES,k-εはともに安定条件においては乱流エネルギーについて風洞実験と概ね一致するが,不安定条件においては都市キャニオン内の乱流エネルギーを過小評価する.また,k-εはLES,風洞実験と比較して都市キャニオン内におけるレイノルズストレス<u1'u3'>,乱流熱フラックス<u3'T'> を過小評価する.つまり,k-εではLES,風洞実験と比較して都市キャニオン内外における運動量,熱の交換が十分に再現されず,都市キャニオン内の平均風速の空間分布,平均温度の予測精度の低下につながったと考えられる.
ISSN:0037-105X
1881-2058
DOI:10.11188/seisankenkyu.68.35