関節リウマチ患者におけるinfliximabの注射時反応とFcγ receptor III遺伝子多型との関連
目的:infliximab(INF)治療関節リウマチ(RA)患者で、有効性のみならず注射時反応やHACA産生など免疫応答に関連する因子を臨床的に検討し、Fcγreceptor(FcγR) IIIAおよびIIIB遺伝子多型との関与を調べる。 方法:対象は当科でINF治療RA患者300例中96人。診療録から臨床経過を調査した。末梢血リンパ球をreal time PCRで、FcγRIIIA 158番アミノ酸のV/V、V/F、F/FとFcγRIIIBのNA1/1、1/2、2/2の多型を調べ、血清HACAを測定した。 結果:Fcγ RIIIAではV/V 6例、V/F 46例、F/F 44例、FcγR I...
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Published in | Nihon Rinsho Men'eki Gakkai Sokai Shorokushu Vol. 37; p. 130 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床免疫学会
2009
The Japan Society for Clinical Immunology |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1880-3296 |
DOI | 10.14906/jscisho.37.0.130.0 |
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Summary: | 目的:infliximab(INF)治療関節リウマチ(RA)患者で、有効性のみならず注射時反応やHACA産生など免疫応答に関連する因子を臨床的に検討し、Fcγreceptor(FcγR) IIIAおよびIIIB遺伝子多型との関与を調べる。 方法:対象は当科でINF治療RA患者300例中96人。診療録から臨床経過を調査した。末梢血リンパ球をreal time PCRで、FcγRIIIA 158番アミノ酸のV/V、V/F、F/FとFcγRIIIBのNA1/1、1/2、2/2の多型を調べ、血清HACAを測定した。 結果:Fcγ RIIIAではV/V 6例、V/F 46例、F/F 44例、FcγR IIIBではNA1/1 42例、1/2 33例、2/2 21例と健康人と同様の分布を示した。注射時反応を認めた17例のうち、IIIBでは高親和性のNA1/1で13例と有意に多くみられ、IIIAとの関連は単独では認められなかった。重篤な症状であるアナフィラクトイド反応を生じた2例は全てV/F、NA1/1と高親和性レセプターを発現しており、2例ともHACA陽性であった。さらに、IIIAのV/VとV/Fの合わせたものはプレドニゾロン投与量との組み合わせでHACA産生に関連した。 結論:注射時反応の機序にはINFと結合するFcγRIIIの親和性も大きく関与する可能性が示唆され、FcγRIIIの遺伝子多型がHACA産生や、それを介した注射時反応に重要な役割を果たすと考えられた。 |
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Bibliography: | 2-04 |
ISSN: | 1880-3296 |
DOI: | 10.14906/jscisho.37.0.130.0 |