肺の結節性病変にインフリキシマブが奏功したウェゲナー肉芽腫の一例

症例は18歳男性、平成20年7月から持続する左鼻出血を自覚し当院耳鼻科を受診。鼻粘膜生検にてWegener肉芽腫(WG)と診断され当科紹介受診。その後、鼻出血軽快し炎症所見も軽度であったため経過観察のみとなっていたが、平成22年1月頃から鼻出血の再燃とC-ANCAの上昇、胸部CTにて両肺多発結節が出現し同年4月に当科入院。鼻出血と肺結節を認めたが、腎症状は認めず限局型WGと診断しPSL60mg/日にて治療開始。治療開始後から肺結節は縮小傾向を認め7月に退院、PSL30mg/日で加療されていた。しかし血痰と肺結節の増大を認め同年9月に再入院。PSL80mg/日へ増量後、肺結節は縮小傾向を認めたが...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inNihon Rinsho Men'eki Gakkai Sokai Shorokushu Vol. 39; p. 150
Main Authors 志賀, 俊彦, 朝戸, 佳世, 木下, 浩二, 嶋津, 秀紀, 矢野, 智洋, 入交, 重雄, 船内, 正憲, 樋野, 尚一, 生駒, 真也, 野崎, 祐史, 岸本, 和也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床免疫学会 2011
The Japan Society for Clinical Immunology
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1880-3296
DOI10.14906/jscisho.39.0.150.0

Cover

More Information
Summary:症例は18歳男性、平成20年7月から持続する左鼻出血を自覚し当院耳鼻科を受診。鼻粘膜生検にてWegener肉芽腫(WG)と診断され当科紹介受診。その後、鼻出血軽快し炎症所見も軽度であったため経過観察のみとなっていたが、平成22年1月頃から鼻出血の再燃とC-ANCAの上昇、胸部CTにて両肺多発結節が出現し同年4月に当科入院。鼻出血と肺結節を認めたが、腎症状は認めず限局型WGと診断しPSL60mg/日にて治療開始。治療開始後から肺結節は縮小傾向を認め7月に退院、PSL30mg/日で加療されていた。しかし血痰と肺結節の増大を認め同年9月に再入院。PSL80mg/日へ増量後、肺結節は縮小傾向を認めたが漸減中に再度肺結節の増大を認め、11月からエンドキサンパルス療法1000mg /月を開始。しかし投与後も肺結節の増大傾向を認め、倦怠感などの副作用が出現したためエンドキサン投与を中止しタクロリムス3mg/日、メソトレキセート8mg/週を追加投与したが効果なく、平成23年2月にインフリキシマブの投与施行。投与後、肺結節の縮小傾向を認め現在も継続使用中である。今回、ステロイドや様々な免疫抑制剤に対して治療抵抗性であったWGに対してインフリキシマブを使用し、効果を認めた一例について若干の文献的考察を加えて報告する。
Bibliography:PW-66
ISSN:1880-3296
DOI:10.14906/jscisho.39.0.150.0