Hypereosinophlic syndrome(HES)の経過中に好酸球性蜂窩織炎(Wells症候群)様症状を呈した1例
42歳男性。40歳時に、右下腿に抗生物質無効の蜂窩織炎が出現し、末梢血、骨髄の好酸球増多(末梢血WBC48900/μl、eos64%)、感覚性失語、左動眼神経麻痺が出現。頭部CTで左側頭葉皮質下出血を認めた。また胸部CTで両肺野にび漫性浸潤影を認め好酸球性肺炎の合併と診断した。メチルプレドニゾロンパルス(500mg/日)、プレドニゾロン(PSL)40mg/日投与により、好酸球増多、肺浸潤影、蜂窩織炎は改善した。脳動脈生検では好酸球浸潤、血管炎所見は認めなかった。皮膚生検、気管支鏡は未施行だが、肺病変、脳出血、蜂窩織炎の症状はHESに伴った病態と診断した。PSL維持量5mg/日で経過観察中に、左...
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Published in | Nihon Rinsho Men'eki Gakkai Sokai Shorokushu Vol. 33; p. 121 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床免疫学会
2005
The Japan Society for Clinical Immunology |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1880-3296 |
DOI | 10.14906/jscisho.33.0.121.0 |
Cover
Summary: | 42歳男性。40歳時に、右下腿に抗生物質無効の蜂窩織炎が出現し、末梢血、骨髄の好酸球増多(末梢血WBC48900/μl、eos64%)、感覚性失語、左動眼神経麻痺が出現。頭部CTで左側頭葉皮質下出血を認めた。また胸部CTで両肺野にび漫性浸潤影を認め好酸球性肺炎の合併と診断した。メチルプレドニゾロンパルス(500mg/日)、プレドニゾロン(PSL)40mg/日投与により、好酸球増多、肺浸潤影、蜂窩織炎は改善した。脳動脈生検では好酸球浸潤、血管炎所見は認めなかった。皮膚生検、気管支鏡は未施行だが、肺病変、脳出血、蜂窩織炎の症状はHESに伴った病態と診断した。PSL維持量5mg/日で経過観察中に、左下腿に浮腫性紅斑出現し蜂窩織炎が疑われ、同時に好酸球増多(WBC26900/μl、eos36%)を認め当科入院。左優位に下腿から足背までの皮膚は緊満し、左下腿内側と足背に広範囲に紅色局面を認め足背は一部痂皮、鱗屑を伴った。CTでは皮下組織、筋組織への炎症の波及を認めた。皮膚生検では、真皮及び脂肪組織内に著明な好酸球浸潤を認め、好酸球性蜂窩織炎(Wells症候群)と診断した。皮疹、腫脹は外用ステロイド剤で改善したが、好酸球増多が持続するためPSL50mg/日投与開始し、蜂窩織炎は改善し、好酸球数も正常化した。心臓超音波で中隔の菲薄化と輝度亢進、収縮能低下を認めたが、今回の入院中に他の臓器病変は認めなかった。HESの経過中にWells症候群様症状を呈した例は稀なため報告した。 |
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Bibliography: | 14-6 |
ISSN: | 1880-3296 |
DOI: | 10.14906/jscisho.33.0.121.0 |