手根運動可動域の前腕肢位による変化

右利き健常男性20名の右上肢を対象に、前腕肢位による手根の運動可動域の変化を調べた。前腕90°回内位(回内位)、回内外0°(中間位)、90°回外位(回外位)で手根の最大ぶん回し運動を行わせ、その時の第三中手骨頭の前方から見た運動軌跡(2次元、冠状面)を記録した。運動軌跡はどの前腕肢位でも楕円に近い形を示した。この軌跡から、手根の伸展と内転方向の可動域は回内位よりも中間位で、屈曲方向は回外位、中間位、回内位の順に大きくなること、楕円の面積は回外位よりも中間位と回内位で大きくなること、楕円の長軸は回外位よりも回内位、短軸は回外位よりも中間位と回内位で長くなる傾向がみられること、長軸は回内位、中間位...

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Published in形態・機能 Vol. 13; no. 1; pp. 8 - 16
Main Authors 佐藤, 寿晃, 長沼, 誠, 藤田, 貴昭, 外川, 佑, 仲野, 春樹, 成田, 亜矢, 鈴木, 克彦, 内藤, 輝, 秋山, 孝夫, 藤井, 浩美, 仁藤, 充洋, 橋爪, 和足
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published コ・メディカル形態機能学会 2014
Co-medical Research Society of Structure and Function
Subjects
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ISSN1347-7145
1884-6084
DOI10.11172/keitaikinou.13.8

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Summary:右利き健常男性20名の右上肢を対象に、前腕肢位による手根の運動可動域の変化を調べた。前腕90°回内位(回内位)、回内外0°(中間位)、90°回外位(回外位)で手根の最大ぶん回し運動を行わせ、その時の第三中手骨頭の前方から見た運動軌跡(2次元、冠状面)を記録した。運動軌跡はどの前腕肢位でも楕円に近い形を示した。この軌跡から、手根の伸展と内転方向の可動域は回内位よりも中間位で、屈曲方向は回外位、中間位、回内位の順に大きくなること、楕円の面積は回外位よりも中間位と回内位で大きくなること、楕円の長軸は回外位よりも回内位、短軸は回外位よりも中間位と回内位で長くなる傾向がみられること、長軸は回内位、中間位、回外位への変化で、それぞれ反時計回りに約20°ずつ回転することなどが示された。以上、手根(利き腕)の運動可動域は回外位で小さくなること、最も大きく振れる方向は回内位から回外位になるにつれ反時計回りに変位することなどが分かった。
ISSN:1347-7145
1884-6084
DOI:10.11172/keitaikinou.13.8