CD244の遺伝子多型と全身性エリテマトーデスの関連

(目的)CD244は、signaling lymphocyte activation molecule (SLAM)のファミリーに属しており、NK細胞やT細胞における免疫反応に重要な働きを担っている。さらに、SLAMファミリーに属しているLy108遺伝子変異がループスマウスで発見されたことより、SLAMファミリー遺伝子と全身性エリテマトーデス(SLE)との関連が推測されていた。今回、我々は、CD244遺伝子多型とSLE発症および、その臨床症状との関連を検討した。 (方法)243例のSLE、756例の健常人のgenomic DNAを抽出した。CD244遺伝子多型は、rs3766379とrs668...

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Published inNihon Rinsho Men'eki Gakkai Sokai Shorokushu Vol. 37; p. 123
Main Authors 大田, ゆう子, 川本, 学, 勝又, 康弘, 五野, 貴久, 川口, 鎮司, 栃本, 明子, 高木, 香恵, 山中, 寿
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床免疫学会 2009
The Japan Society for Clinical Immunology
Subjects
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ISSN1880-3296
DOI10.14906/jscisho.37.0.123.0

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Summary:(目的)CD244は、signaling lymphocyte activation molecule (SLAM)のファミリーに属しており、NK細胞やT細胞における免疫反応に重要な働きを担っている。さらに、SLAMファミリーに属しているLy108遺伝子変異がループスマウスで発見されたことより、SLAMファミリー遺伝子と全身性エリテマトーデス(SLE)との関連が推測されていた。今回、我々は、CD244遺伝子多型とSLE発症および、その臨床症状との関連を検討した。 (方法)243例のSLE、756例の健常人のgenomic DNAを抽出した。CD244遺伝子多型は、rs3766379とrs6682654をTaqMan probeを用いて解析した。 (結果)rs3766379のalleleにおいて、SLEとの関連が認められた (P = 0.0023, odds ratio: 1.3, 95% confidence interval: 1.0-1.6)。SLEの臨床症状との検討では、神経精神症状と腎炎において、CD244の2カ所の遺伝子多型と有意な関連が認められた(P < 0.0001)。 (結論)CD244の遺伝子多型は、SLEとの関連が再確認された。また、神経精神症状と腎障害に強い関連が認められてことより、CD244遺伝子多型は、重症SLEの指標となる可能性が示唆された。
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ISSN:1880-3296
DOI:10.14906/jscisho.37.0.123.0