HCV抗体検査導入後の輸血後C型肝炎の発症率

日本で年間約20万人発生している輸血後肝炎の95%はC型肝炎と言われており1), 輸血に伴う感染症として極めて重要な問題となっている2)~4). 日本赤十字社では1989年11月より, いち早く供血者検査にHCV抗体(C型肝炎ウイルス抗体)検査の導入を行い, 輸血後C型肝炎の減少が期待されている. 東京近郊における供血者のHCV抗体は, 1.2~1.4%1)5)検出され輸血から除外されているが, 現的行われている第1世代のHCV関連抗体検査はc100-3抗原(NS-3, NS-4領域に相当する)が使用されているが, この抗原によるスクリーニングの限界6)~10)から, 6%以上の輸血後HCV抗...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 38; no. 1; pp. 14 - 17
Main Authors 重田, 勝義, 飯島, 雅子, 川田, 典子, 月本, 一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本輸血・細胞治療学会 1992
日本輸血学会
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Summary:日本で年間約20万人発生している輸血後肝炎の95%はC型肝炎と言われており1), 輸血に伴う感染症として極めて重要な問題となっている2)~4). 日本赤十字社では1989年11月より, いち早く供血者検査にHCV抗体(C型肝炎ウイルス抗体)検査の導入を行い, 輸血後C型肝炎の減少が期待されている. 東京近郊における供血者のHCV抗体は, 1.2~1.4%1)5)検出され輸血から除外されているが, 現的行われている第1世代のHCV関連抗体検査はc100-3抗原(NS-3, NS-4領域に相当する)が使用されているが, この抗原によるスクリーニングの限界6)~10)から, 6%以上の輸血後HCV抗体陽転者が予想されている6). 今回我々は, 日本赤十字社で供血者検査にHCV抗体検査が導入された前後の輸血後C型肝炎の発症率について検討を行ったので報告する.
ISSN:0546-1448
1883-8383
DOI:10.3925/jjtc1958.38.14