高体温,過眠症を呈しMRIで両側視床下部病変をみとめモダフィニルが奏功した39歳女性例

症例は39歳の女性である.2011年7月,41°Cの高体温,痙攣重積をみとめ緊急入院となった.MRI で両側視床から視床下部にT2強調およびFLAIR画像で高信号域をみとめた.脳生検病理所見より,neuromyelitis optica(NMO)に関連した病態がうたがわれた.入院後も過眠をみとめ,ステロイド治療で病変は縮小傾向を示したが覚醒障害に改善をみとめなかった.髄液オレキシン値<40 pg/mlと低下し,モダフィニルの内服を開始したところ,良好な覚醒がえられた.NMOにおいて視床下部障害の報告が蓄積されており,治療について重要な示唆を与える症例と考えられた....

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Published in臨床神経学 Vol. 54; no. 7; pp. 550 - 555
Main Authors 蓮尾, 金博, 井上, 雅人, 竹内, 壯介, 神林, 崇, 村山, 繁雄, 斎藤, 奈穂子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経学会 2014
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ISSN0009-918X
1882-0654
DOI10.5692/clinicalneurol.54.550

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Summary:症例は39歳の女性である.2011年7月,41°Cの高体温,痙攣重積をみとめ緊急入院となった.MRI で両側視床から視床下部にT2強調およびFLAIR画像で高信号域をみとめた.脳生検病理所見より,neuromyelitis optica(NMO)に関連した病態がうたがわれた.入院後も過眠をみとめ,ステロイド治療で病変は縮小傾向を示したが覚醒障害に改善をみとめなかった.髄液オレキシン値<40 pg/mlと低下し,モダフィニルの内服を開始したところ,良好な覚醒がえられた.NMOにおいて視床下部障害の報告が蓄積されており,治療について重要な示唆を与える症例と考えられた.
ISSN:0009-918X
1882-0654
DOI:10.5692/clinicalneurol.54.550