MRI T2強調画像で脊髄病変の低信号域をみとめ,出血性病変がうたがわれた血管内大細胞型B細胞リンパ腫の1例

症例は脊髄病変を有し,皮膚生検で血管内大細胞型B細胞リンパ腫と確定診断した79歳女性である.MRI T2強調画像で高信号を呈していた脊髄病変に低信号域もみとめ,出血性病変をともなっていることがうたがわれた.その機序として異型リンパ球と血管内皮細胞の相互作用が考えられ,さらに,出血性梗塞,あるいはrituximabと腫瘍細胞の反応による毛細血管内皮の破綻が関与している可能性も考えられた.本疾患の脊髄病変にMRI T2強調画像で低信号をみとめた報告はまれであり,貴重な症例と考えられた....

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Published in臨床神経学 Vol. 52; no. 5; pp. 344 - 350
Main Authors 石川, 知子, 緒方, 優子, 津田, 淳子, 後藤, 勝政, 菊池, 博
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経学会 2012
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Summary:症例は脊髄病変を有し,皮膚生検で血管内大細胞型B細胞リンパ腫と確定診断した79歳女性である.MRI T2強調画像で高信号を呈していた脊髄病変に低信号域もみとめ,出血性病変をともなっていることがうたがわれた.その機序として異型リンパ球と血管内皮細胞の相互作用が考えられ,さらに,出血性梗塞,あるいはrituximabと腫瘍細胞の反応による毛細血管内皮の破綻が関与している可能性も考えられた.本疾患の脊髄病変にMRI T2強調画像で低信号をみとめた報告はまれであり,貴重な症例と考えられた.
ISSN:0009-918X
1882-0654
DOI:10.5692/clinicalneurol.52.344