ステロイド投与が有効であった大腸術後吻合部狭窄の4例

• Published in: 日本大腸肛門病学会雑誌 Vol. 71; no. 1; pp. 41 - 47
• Main Authors: 里見, 大介, 榊原, 舞
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 日本大腸肛門病学会 2018
• Subjects: ステロイド; 下部消化管; 吻合部狭窄
• ISSN: 0047-1801; 1882-9619
• DOI: 10.3862/jcoloproctology.71.41

大腸術後吻合部狭窄に対しステロイド投与のみで効果が早期に得られた4例を経験したので報告する．患者1：横行結腸癌に対し腹腔鏡下横行結腸切除術を施行．術後吻合部狭窄を発症，内視鏡下にベタメタゾンを吻合部周囲に局注し，同時にメチルプレドニゾロンを2日間点滴静注．2日後に症状軽快した．患者2：S状結腸癌に対し腹腔鏡下S状結腸切除術を施行．術後吻合部狭窄を認め，患者1同様の全身など投与のみで翌日に症状軽快．患者3：外傷の治療過程でのS状結腸双孔式人工肛門の閉鎖術施行．術後吻合部狭窄を認め，患者2同様にステロイド全身投与のみで翌日に症状軽快．患者4：S状結腸癌治療過程で横行結腸双孔式人工肛門の閉鎖術施行後に吻合部狭窄を認めた．同様にステロイド全身投与し，2日後に症状軽快した．吻合部狭窄に対しステロイド投与は即効性があり，簡便で有用な方法であることが示唆された．