眼窩吹き抜け骨折に対する吸収性骨接合剤 (スーパーフィクソーブ® MX) の使用経験

眼窩吹き抜け骨折の治療に吸収性骨接合剤のハイドロキシアパタイト・ポリ L-乳酸複合体 (u-HA/PLLA) を用いて良好な経過が得られた症例を経験したので報告する. 症例1は67歳, 女性. 交通事故により受傷, 右眼窩下壁・内側壁吹き抜け骨折を認めた. 複視はなかったが, 眼球陥凹に対して整復術を施行した. 症例2は14歳男性. サッカーの試合中に受傷, 右眼窩下壁吹き抜け骨折による複視があり, 整復術を施行した. いずれも骨折が広範囲であり u-HA/PLLA を用いた. いずれも術後2年以上経過したが, 特に合併症はなく, 眼窩下壁再建材料として有用と思われた. さらに長期に経過観察し...

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Published in日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 123; no. 10; pp. 1242 - 1246
Main Authors 渡辺, 哲生, 鈴木, 正志
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会 20.10.2020
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ISSN0030-6622
1883-0854
DOI10.3950/jibiinkoka.123.1242

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Summary:眼窩吹き抜け骨折の治療に吸収性骨接合剤のハイドロキシアパタイト・ポリ L-乳酸複合体 (u-HA/PLLA) を用いて良好な経過が得られた症例を経験したので報告する. 症例1は67歳, 女性. 交通事故により受傷, 右眼窩下壁・内側壁吹き抜け骨折を認めた. 複視はなかったが, 眼球陥凹に対して整復術を施行した. 症例2は14歳男性. サッカーの試合中に受傷, 右眼窩下壁吹き抜け骨折による複視があり, 整復術を施行した. いずれも骨折が広範囲であり u-HA/PLLA を用いた. いずれも術後2年以上経過したが, 特に合併症はなく, 眼窩下壁再建材料として有用と思われた. さらに長期に経過観察して安全性を確認していきたい.
ISSN:0030-6622
1883-0854
DOI:10.3950/jibiinkoka.123.1242