デンタルX-Pによる補綴学的診断
「I. はじめに」 診断とは, 一般には「医師が患者を診察して病気を判断すること. 転じて, 一般に物事の欠陥の有無を調べて判断すること. 」(『広辞苑』)と理解されている. 診断学ともなれば, もう少し専門的知識が必要となり, より客観性, 普遍性, 論理性が要求される. つまり, 正確な診断であったか誤診であったかが大きな問題となる. 誤診という言葉で有名なのは, 東大の沖中重雄博士の最終講義での誤診率の話である. 最終講義の翌年の『朝日ジャーナル』(6巻39号・昭和39年)には, 「……沖中博士が誤診率14%と告白したとき, われわれ患者はその率の高いのに驚いたが, 一般の医師はその低い...
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Published in | 日本補綴歯科学会雑誌 Vol. 43; no. 1; pp. 6 - 12 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
社団法人 日本補綴歯科学会
1999
日本補綴歯科学会 |
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Summary: | 「I. はじめに」 診断とは, 一般には「医師が患者を診察して病気を判断すること. 転じて, 一般に物事の欠陥の有無を調べて判断すること. 」(『広辞苑』)と理解されている. 診断学ともなれば, もう少し専門的知識が必要となり, より客観性, 普遍性, 論理性が要求される. つまり, 正確な診断であったか誤診であったかが大きな問題となる. 誤診という言葉で有名なのは, 東大の沖中重雄博士の最終講義での誤診率の話である. 最終講義の翌年の『朝日ジャーナル』(6巻39号・昭和39年)には, 「……沖中博士が誤診率14%と告白したとき, われわれ患者はその率の高いのに驚いたが, 一般の医師はその低いのに感嘆したそうだ. 両者の感覚の断絶はこれほど大きい. 云々」と紹介された. インフォームドコンセント, 患者本位の医療等が叫ばれて久しいが, 35年後の現在でも考えさせられる問題である. 沖中博士は, 後に「……私が最終講義をした目的は, 自分たちの苦心したにがい経験を, これから10年, 20年さきに医師として活躍する医学生にありのまま伝え, 臨床医学のむずかしさを身をもって教えこみ, また, 医師という職業の高度の学問的内容を伝えたかったに他ならない. |
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ISSN: | 0389-5386 1883-177X |
DOI: | 10.2186/jjps.43.6 |