術式別にみた胃切除後胆石症例の検討

胃切除後胆石症を術式別に検討し,術式別,特に再建方法の違いによる胆石症の特徴につき検討を行った.手術を施行した胃切除後胆石症92例を術式別にA群:食道胃吻合またはBI(27例),B群:BIIまたは胃空腸吻合(56例),B群:食道空腸吻合(9例)の3群に分類し検討した.A群Cから群になるにしたがって胆管に存在する頻度,色素胆石.とくにビリビルンカルシウム石の頻度が高くなり,特に,食道胃吻合の症例は全例胆合例みに結石がみられ,コレステロール胆石が66.7%と多かったのに対して,食道空腸吻嚢ので2/3の症例で結石が胆管に存在し,全例色素胆石であった.胃切除から胆石症症状出現までの期間はC群では他群に...

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Published in胆道 Vol. 5; no. 2; pp. 146 - 152
Main Authors 真弓, 俊彦, 蜂須賀, 喜多男, 久世, 真悟, 近藤, 真治, 青野, 景也, 新井, 利幸, 山口, 晃弘, 磯谷, 正敏, 塩見, 正哉, 新美, 教弘, 森, 直治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本胆道学会 1991
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Summary:胃切除後胆石症を術式別に検討し,術式別,特に再建方法の違いによる胆石症の特徴につき検討を行った.手術を施行した胃切除後胆石症92例を術式別にA群:食道胃吻合またはBI(27例),B群:BIIまたは胃空腸吻合(56例),B群:食道空腸吻合(9例)の3群に分類し検討した.A群Cから群になるにしたがって胆管に存在する頻度,色素胆石.とくにビリビルンカルシウム石の頻度が高くなり,特に,食道胃吻合の症例は全例胆合例みに結石がみられ,コレステロール胆石が66.7%と多かったのに対して,食道空腸吻嚢ので2/3の症例で結石が胆管に存在し,全例色素胆石であった.胃切除から胆石症症状出現までの期間はC群では他群に比べ有意に短かく,また,胃切除時のリンパ節郭清は胆石症の早期発生に関与していた.以上より,胃切除後胆石症においては迷切の影響だけではなく,胃切除の範囲や再建術式も大いに関連があると思われた.
ISSN:0914-0077
1883-6879
DOI:10.11210/tando1987.5.2_146