線維筋痛症様症状を呈し、脳血流SPECTが有用であったCNSシェーグレンの一例

症例は33歳、女性。1995年より全身の疼痛が出現。2001年より発熱、口内炎、耳下腺炎を繰り返し2002年シェーグレン症候群と診断。又小児期より意識消失を繰り返し精査するも器質的異常を認めなかった。その後発熱、頭痛、全身の疼痛、意識消失、痙攣、嘔吐、下痢等の症状が続き入院精査繰り返すも器質的異常なく耳下腺炎に対しステロイド薬を投与、全身疼痛は線維筋痛症が疑われ対症療法、痙攣に対し抗痙攣薬が投与されていた。2008年5月全身の疼痛のため寝たきりとなり、複視、嚥下障害、構音障害が出現。痙攣重積のため入院となった。全身疼痛の原因となる関節炎や末梢神経障害の所見を認めず、髄液検査ではごく軽度の細胞蛋...

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Published inNihon Rinsho Men'eki Gakkai Sokai Shorokushu Vol. 36; p. 154
Main Authors 村田, 恵, 高木, 香恵, 山田, 隆, 稲田, 進一, 立石, 睦人, 森, 将人, 北郡, 宏次, 小笠原, 孝, 田辺, 学, 岡本, 祐子, 立花, 秀介
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床免疫学会 2008
The Japan Society for Clinical Immunology
Subjects
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ISSN1880-3296
DOI10.14906/jscisho.36.0.154.0

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Summary:症例は33歳、女性。1995年より全身の疼痛が出現。2001年より発熱、口内炎、耳下腺炎を繰り返し2002年シェーグレン症候群と診断。又小児期より意識消失を繰り返し精査するも器質的異常を認めなかった。その後発熱、頭痛、全身の疼痛、意識消失、痙攣、嘔吐、下痢等の症状が続き入院精査繰り返すも器質的異常なく耳下腺炎に対しステロイド薬を投与、全身疼痛は線維筋痛症が疑われ対症療法、痙攣に対し抗痙攣薬が投与されていた。2008年5月全身の疼痛のため寝たきりとなり、複視、嚥下障害、構音障害が出現。痙攣重積のため入院となった。全身疼痛の原因となる関節炎や末梢神経障害の所見を認めず、髄液検査ではごく軽度の細胞蛋白増加、IgG index上昇、脳波では頭頂部に異常波を認めた。頭部MRIは正常であったが、脳血流SPECTにて前頭頭頂葉・視床の広範囲な血流低下を認めた。シェーグレン症候群に伴う中枢神経障害と判断し、ステロイドパルス療法を施行し症状、SPECT所見の改善を認めた。全身疼痛、痙攣で発症し、進行性の経過を呈したCNSシェーグレンの一例を経験した。診断には脳血流SPECTが有用であり、若干の文献的考察を含め報告する。
Bibliography:2-39
ISSN:1880-3296
DOI:10.14906/jscisho.36.0.154.0