直腸瘤を伴う骨盤底筋協調運動障害の2例

直腸瘤を伴う骨盤底筋協調運動障害が排便障害の原因と考えられた2症例を経験したので報告する.症例1は51歳女性.主訴は排便困難,残便感,排便造影検査で約4cmの直腸瘤を認め経膣的直腸瘤修復術施行.その後も排便障害を認め,術後の排便造影検査にて骨盤底筋協調運動障害が原因と考えられたため,バイオフィードバック療法を行い改善を認めた.症例2は74歳女性.主訴は排便困難.排便造影検査で約2.5cmの直腸瘤および骨盤底筋協調運動障害を認め,バイオフィードバック療法で改善を認めた.直腸瘤の存在診断は肛門指診により可能であるが,排便障害の原因は直腸瘤のみとは限らず,自験例のように骨盤底筋協調運動障害を伴うこと...

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Published in日本大腸肛門病学会雑誌 Vol. 77; no. 3; pp. 185 - 191
Main Authors 岡本, 康介, 松村, 奈緒美, 下島, 裕寛, 黒水, 丈次, 紅谷, 鮎美, 深野, 雅彦, 河野, 洋一, 香取, 玲美, 彦坂, 吉興, 松島, 誠, 松島, 小百合, 宮島, 伸宜
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本大腸肛門病学会 2024
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ISSN0047-1801
1882-9619
DOI10.3862/jcoloproctology.77.185

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Summary:直腸瘤を伴う骨盤底筋協調運動障害が排便障害の原因と考えられた2症例を経験したので報告する.症例1は51歳女性.主訴は排便困難,残便感,排便造影検査で約4cmの直腸瘤を認め経膣的直腸瘤修復術施行.その後も排便障害を認め,術後の排便造影検査にて骨盤底筋協調運動障害が原因と考えられたため,バイオフィードバック療法を行い改善を認めた.症例2は74歳女性.主訴は排便困難.排便造影検査で約2.5cmの直腸瘤および骨盤底筋協調運動障害を認め,バイオフィードバック療法で改善を認めた.直腸瘤の存在診断は肛門指診により可能であるが,排便障害の原因は直腸瘤のみとは限らず,自験例のように骨盤底筋協調運動障害を伴うこともあるため,治療に留意を要すると考える.
ISSN:0047-1801
1882-9619
DOI:10.3862/jcoloproctology.77.185