ループス膀胱炎を呈した全身性エリテマトーデスの一例

【症例】47歳、女性。微小変化型ネフローゼ症候群の経過中に発症した全身性エリテマトーデス(SLE)・シェーグレン症候群(SjS)として、平成15年11月から当科にて経過観察していた。平成16年10月頃から頻尿が出現したため当院泌尿器科受診となり、間質性膀胱炎と診断され塩酸オキシブチニン内服にて経過観察となった。その後、腹痛・腸閉塞様症状が出現、抗DNA抗体高値および赤沈の亢進からSLEの活動性が上昇していると考えられたこと、頻尿症状改善しないことから、精査・加療目的に平成17年1月当科入院となった。精査の結果、両側水腎症、膀胱コンプライアンス低下、膀胱容量の低下および腹水の貯留が認められた。基...

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Published inNihon Rinsho Men'eki Gakkai Sokai Shorokushu Vol. 33; p. 97
Main Authors 後藤, 秀樹, 高島, 英典, 向井, 正也, 小泉, 和輝
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床免疫学会 2005
The Japan Society for Clinical Immunology
Subjects
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ISSN1880-3296
DOI10.14906/jscisho.33.0.97.0

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Summary:【症例】47歳、女性。微小変化型ネフローゼ症候群の経過中に発症した全身性エリテマトーデス(SLE)・シェーグレン症候群(SjS)として、平成15年11月から当科にて経過観察していた。平成16年10月頃から頻尿が出現したため当院泌尿器科受診となり、間質性膀胱炎と診断され塩酸オキシブチニン内服にて経過観察となった。その後、腹痛・腸閉塞様症状が出現、抗DNA抗体高値および赤沈の亢進からSLEの活動性が上昇していると考えられたこと、頻尿症状改善しないことから、精査・加療目的に平成17年1月当科入院となった。精査の結果、両側水腎症、膀胱コンプライアンス低下、膀胱容量の低下および腹水の貯留が認められた。基礎疾患にSLEが存在しており、ループス膀胱炎・ループス腹膜炎と診断した。平成17年2月からプレドニン60mg内服開始した。水腎症の改善、膀胱容量の拡大、腹水の減少とステロイドの反応は良好であり、プレドニン30mgまで漸減し退院となった。【結語】SLEは、低頻度ながら膀胱にも病変を生じることがある。診断の遅れは膀胱機能の非可逆的な障害を来たす。今回、ループス膀胱炎・ループス腹膜炎を早期に診断し、大量ステロイド療法にて経過良好であった1例を経験したので報告する。
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ISSN:1880-3296
DOI:10.14906/jscisho.33.0.97.0