「妊娠出産される女性とご家族のための助産ガイドライン」 一般の方向け資料としての評価研究 PEMAT-P,jReadabilityを用いて
目 的「妊娠出産される女性とご家族のための助産ガイドライン」(解説版)が一般女性とその家族にわかりやすく,活用できる資料であるか評価を行い,次回改訂時の課題を明確にする。対象と方法評価対象は解説版54項目の質問と回答・解説のうち19項目である。助産師2名が理解しやすさ,および行動しやすさについてThe Patient Education Materials Assessment Tool-Pにて評価した。また,2名の助産師による評価を統一する際のディスカッションおよび評価後に実施した評価理由等についての半構造化面接の逐語録について質的記述的分析を行った。可読性については日本語文章難易度判別シス...
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Published in | 日本助産学会誌 Vol. 38; no. 2; pp. 214 - 226 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本助産学会
2024
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0917-6357 1882-4307 |
DOI | 10.3418/jjam.JJAM-2023-0059 |
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Summary: | 目 的「妊娠出産される女性とご家族のための助産ガイドライン」(解説版)が一般女性とその家族にわかりやすく,活用できる資料であるか評価を行い,次回改訂時の課題を明確にする。対象と方法評価対象は解説版54項目の質問と回答・解説のうち19項目である。助産師2名が理解しやすさ,および行動しやすさについてThe Patient Education Materials Assessment Tool-Pにて評価した。また,2名の助産師による評価を統一する際のディスカッションおよび評価後に実施した評価理由等についての半構造化面接の逐語録について質的記述的分析を行った。可読性については日本語文章難易度判別システムにて評価した。結 果理解しやすさのスコア平均は77.7(SD 13.8)であり,理解しやすいとされるカットオフ値70以上だった項目は評価対象19のうち16(84.2%)であった。行動しやすさのスコア平均は39.8(SD 25.9)であり,行動しやすいとされるカットオフ値70以上だった項目は2つ(10.5%)であった。質的データからは想定する読者のレディネスに合わせ,読者がスムーズに理解でき,読者がとれる行動の理解を促すよう提示する情報の出し方を工夫すること,視覚素材を追加・改善すること,読者が行動できる表現をいれることが見出された。可読性のスコア平均は2.3(SD 0.6)であり解説版はむずかしい日本語が使われていると判定された。結 論解説版は一般の方にとって理解しやすいが,日本語としてはむずかしいレベルであり,行動に移しづらい資料であることが明らかとなった。改訂時には,想定する読者のレディネスに合わせたやさしい日本語を選択し,解説版対象者が解説版を読んだことで実践できる表現を入れていくことが求められる。 |
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ISSN: | 0917-6357 1882-4307 |
DOI: | 10.3418/jjam.JJAM-2023-0059 |