口腔カンジダ症に関する研究 -日本, 中国, イタリアおよびペルーからの Candida 属臨床分離株の性状比較
日本, 中国, イタリア, ペルーの健常者および患者の口腔から分離された214株の Candida 属酵母の形態学的, 生物学的性状について検討した。ほとんどすべての株は発芽管および厚膜胞子を形成し, Candida albicans と同定された。生物型の地域差を知るため, 24種のキラー酵母に対する感受性から分離株の生物型を調べた。その結果, 214株は, 31の生物型に分けられたが生物型に地域差は見られなかった。しかし, 患者から分離された株の生物型は, 健常者から分離された株に比べて多様であり, 患者への治療処置が生物型変化を引き起こした可能性が示めされた。病原性因子としてあげられてい...
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Published in | 日本口腔粘膜学会雑誌 Vol. 9; no. 2; pp. 41 - 49 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本口腔内科学会
2003
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Subjects | |
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ISSN | 1341-7983 1884-1473 |
DOI | 10.6014/jjomm1995.9.41 |
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Summary: | 日本, 中国, イタリア, ペルーの健常者および患者の口腔から分離された214株の Candida 属酵母の形態学的, 生物学的性状について検討した。ほとんどすべての株は発芽管および厚膜胞子を形成し, Candida albicans と同定された。生物型の地域差を知るため, 24種のキラー酵母に対する感受性から分離株の生物型を調べた。その結果, 214株は, 31の生物型に分けられたが生物型に地域差は見られなかった。しかし, 患者から分離された株の生物型は, 健常者から分離された株に比べて多様であり, 患者への治療処置が生物型変化を引き起こした可能性が示めされた。病原性因子としてあげられている菌体外プロテアーゼおよびホスフォリパーゼの産生能は, 分離されて地域あるいは対象者による差異はみられなかった。これら2種の酵素の強産生株と弱産生株のマウスに対する病原性を調べた結果, これらの酵素が病原性発現に関与していることが示唆された。 |
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ISSN: | 1341-7983 1884-1473 |
DOI: | 10.6014/jjomm1995.9.41 |