siRNA/WrapsomeRを用いた関節リウマチに対する新規治療法の開発
【目的】中性脂質二重膜にsmall interfering RNAs (siRNA)を内包したsiRNA/WrapsomeR(siRNA/WS)を用いて、関節リウマチ(RA)に対する新規治療法を開発する。【方法】コラーゲン関節炎(CIA)マウスに、Cy5標識ランダム配列siRNA/WSを静注し、蛍光実体顕微鏡およびflow cytometerにてsiRNAの臓器分布を解析した。TNF-α特異的siRNA/WSによる関節炎抑制効果および関節組織のTNF-αmRNA発現抑制効果を評価した。【結果】Cy5-siRNA/WS投与により、関節炎足肢に高レベルのCy5蛍光を投与48時間後まで認めたが、正常...
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Published in | Nihon Rinsho Men'eki Gakkai Sokai Shorokushu Vol. 37; p. 86 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床免疫学会
2009
The Japan Society for Clinical Immunology |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1880-3296 |
DOI | 10.14906/jscisho.37.0.86.0 |
Cover
Summary: | 【目的】中性脂質二重膜にsmall interfering RNAs (siRNA)を内包したsiRNA/WrapsomeR(siRNA/WS)を用いて、関節リウマチ(RA)に対する新規治療法を開発する。【方法】コラーゲン関節炎(CIA)マウスに、Cy5標識ランダム配列siRNA/WSを静注し、蛍光実体顕微鏡およびflow cytometerにてsiRNAの臓器分布を解析した。TNF-α特異的siRNA/WSによる関節炎抑制効果および関節組織のTNF-αmRNA発現抑制効果を評価した。【結果】Cy5-siRNA/WS投与により、関節炎足肢に高レベルのCy5蛍光を投与48時間後まで認めたが、正常の足趾には蛍光を認めなかった。滑膜細胞には、脾臓、肺、末梢血白血球、骨髄細胞に比較し、高レベルのCy5蛍光集積を認めた。滑膜組織におけるCy5陽性細胞の大半はCD11b陽性またはF4/80陽性であった。TNF-α特異的siRNA/WS投与群は、コントロールsiRNA/WS群と比較し、関節炎スコアおよび関節組織におけるTNF-α mRNA量の抑制を認めた。【結論】siRNA/WSは静脈投与により、関節滑膜組織のマクロファージ系細胞に高率に送達されることから、マクロファージが発現する分子を標的としたRAの新規治療法として期待される。 |
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Bibliography: | 1-17 |
ISSN: | 1880-3296 |
DOI: | 10.14906/jscisho.37.0.86.0 |