sero-negative SLE患者2例におけるRP105陰性B細胞の解析

ANA陰性のSLE(sero-negative SLE)は極めて希であるが、特異的疾患マーカーがないために、その診断に苦慮する場合がある。Toll like receptorの一つであるRP105分子は正常のB細胞上に発現しているが、我々はSLE患者において、RP105陰性B細胞が増加していることを報告した。今回、sero-negative SLEの2例を経験し、RP105(-)B細胞を解析した。症例1:36歳男性。初診時、皮疹・四肢近位筋痛、筋生検より皮膚筋炎と診断された。補体低下、白血球減少があったが、血清学的に陰性でSLE診断基準を満たさなかった。経過中、昏睡に至る中枢神経症状を呈したが...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inNihon Rinsho Men'eki Gakkai Sokai Shorokushu Vol. 34; p. 65
Main Authors 小荒田, 秀一, 三田村, 未央, 多田, 芳史, 春田, 善男, 大田, 明英, 長澤, 浩平
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床免疫学会 2006
The Japan Society for Clinical Immunology
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1880-3296
DOI10.14906/jscisho.34.0.65.0

Cover

More Information
Summary:ANA陰性のSLE(sero-negative SLE)は極めて希であるが、特異的疾患マーカーがないために、その診断に苦慮する場合がある。Toll like receptorの一つであるRP105分子は正常のB細胞上に発現しているが、我々はSLE患者において、RP105陰性B細胞が増加していることを報告した。今回、sero-negative SLEの2例を経験し、RP105(-)B細胞を解析した。症例1:36歳男性。初診時、皮疹・四肢近位筋痛、筋生検より皮膚筋炎と診断された。補体低下、白血球減少があったが、血清学的に陰性でSLE診断基準を満たさなかった。経過中、昏睡に至る中枢神経症状を呈したがANA・抗DNA抗体は陰性で経過した。sero-negative SLEと考え、ステロイドおよびエンドキサン・パルス療法で寛解した。症例2:26歳男性。ANAを含め自己抗体はすべて陰性であったが、蝶形紅斑, 円盤状皮疹, 日光過敏, 口内炎, 関節炎,白血球数減少, 補体低下,皮膚生検組織像より、SLEと診断された。プレドニゾロン30mg投与で軽快した。RP105(-)B細胞数は、症例1が21%、症例2が44%と増加していた(正常は1.7%)。治療後は、それぞれ7.3%、3.4%と低下した。B細胞のフェノタイプの解析は、sero-negative SLEにおいて活動性を反映し、診断にも有用であると考えられた。
Bibliography:14-9
ISSN:1880-3296
DOI:10.14906/jscisho.34.0.65.0