実践に役立つ研究とは 研究者と実践者の協働関係

「実践に役立つ研究の必要性」運動やスポーツに関わる実践や指導に科学的な知識をもたらし, それらを充実・発展させていくことは, 応用心理学の一分野であるスポーツ心理学の重要な課題である. 実際に, 多くのスポーツ心理学者は, 研究の成果を現場の実践に役立てたいと考えている. しかしながら, 自分の研究が現場の実践に役立っていると感じている研究者はどれだけいるであろうか. 筆者自身もこれまでに運動部活動に関するいくつかの研究を行ってきたが, それが現場の指導や実践に役立てられているという実感は正直なところ薄いといわざるを得ない. 2012年12月に開催された第10回スポーツ動機づけ研究会では, 「...

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Published inスポーツ心理学研究 Vol. 40; no. 2; pp. 201 - 209
Main Author 渋倉, 崇行
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本スポーツ心理学会 30.09.2013
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ISSN0388-7014
1883-6410
DOI10.4146/jjspopsy.2013-1384

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Summary:「実践に役立つ研究の必要性」運動やスポーツに関わる実践や指導に科学的な知識をもたらし, それらを充実・発展させていくことは, 応用心理学の一分野であるスポーツ心理学の重要な課題である. 実際に, 多くのスポーツ心理学者は, 研究の成果を現場の実践に役立てたいと考えている. しかしながら, 自分の研究が現場の実践に役立っていると感じている研究者はどれだけいるであろうか. 筆者自身もこれまでに運動部活動に関するいくつかの研究を行ってきたが, それが現場の指導や実践に役立てられているという実感は正直なところ薄いといわざるを得ない. 2012年12月に開催された第10回スポーツ動機づけ研究会では, 「スポーツ動機づけ研究の将来を語る」というテーマのもと, 我が国のスポーツ動機づけ研究を牽引してきた研究者を囲んで活発な議論が繰り広げられた. そこでの大きな論点の1つは, 現場を反映した研究をいかにして行い, その成果をいかにして現場に還元できるのかということであった.
ISSN:0388-7014
1883-6410
DOI:10.4146/jjspopsy.2013-1384