小児発症シェーグレン症候群患者において高頻度に存在するM3ムスカリン作働性アセチルコリン受容体に対する自己抗体

【目的】唾液や涙腺の分泌に関わる受容体の一つとしてM3ムスカリン性アセチルコリン受容体 (M3R) が知られている。我々は (Ann Rheum Dis 2005; 64: 510-511)、成人SS患者の一部において抗M3R抗体価および陽性率が成人健常人、成人関節リウマチ (RA) 患者、成人全身性エリテマトーデス (SLE) 患者と比較して有意に高値であることを明らかにしてきた。しかし、小児発症SS患者における抗M3R抗体の存在については未だ報告されていない。そこで、本研究では小児発症SS患者血清中における抗M3R抗体の抗体価の測定を試みた。【方法】小児発症SS患者31名および成人健常人7...

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Published inNihon Rinsho Men'eki Gakkai Sokai Shorokushu Vol. 34; p. 11
Main Authors 中村, 友美, 森, 雅亮, 若松, 英, 堤, 明人, 松本, 功, 後藤, 大輔, 冨板, 美奈子, 横田, 俊平, 真村, 瑞子, 伊藤, 聡, 住田, 孝之, 河野, 陽一, 内藤, 祐介
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床免疫学会 2006
The Japan Society for Clinical Immunology
Subjects
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ISSN1880-3296
DOI10.14906/jscisho.34.0.11.0

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Summary:【目的】唾液や涙腺の分泌に関わる受容体の一つとしてM3ムスカリン性アセチルコリン受容体 (M3R) が知られている。我々は (Ann Rheum Dis 2005; 64: 510-511)、成人SS患者の一部において抗M3R抗体価および陽性率が成人健常人、成人関節リウマチ (RA) 患者、成人全身性エリテマトーデス (SLE) 患者と比較して有意に高値であることを明らかにしてきた。しかし、小児発症SS患者における抗M3R抗体の存在については未だ報告されていない。そこで、本研究では小児発症SS患者血清中における抗M3R抗体の抗体価の測定を試みた。【方法】小児発症SS患者31名および成人健常人70名を対象とした。M3Rの第二細胞外領域25mer の合成ペプチド (H-KRTVPPGECFIQFLSEPTITFGTAI-OH : 25mer) を抗原として、血清中の抗M3R抗体価をEnzyme linked immunosorbent assay (ELISA) 法により測定した。コントロールペプチドとして (H-SGSGSGSGSGSGSGSGSGSGSGS-OH : 25mer) を用いた。【結果】1)小児発症SS患者血清中の抗M3R抗体価(0.364±0.223) (mean±SD)は、健常人(0.135±0.08)と比較して有意に高値を示した (p<0.001)。2)小児SS患者(52%)における抗M3R抗体陽性率は、健常人(2.9%)と比較して、極めて高値を示した (P<0.001)。【結論】小児発症SS患者血清中に抗M3R抗体が高頻度に存在することから、抗M3R抗体が小児発症SS患者の診断に有用なマーカーになり得ること可能性が示唆された。
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ISSN:1880-3296
DOI:10.14906/jscisho.34.0.11.0