臨床各科との連携のもと,積極的なリハビリテーション介入にて在宅復帰が可能となった進行がん患者の3症例

急性期病院臨床各科との連携にて積極的リハビリテーション(以下リハ)の介入に成功し,在宅復帰レベルまでの改善を果たし得た進行がん患者の3症例を経験したので報告する.症例1:75歳,男性,肝細胞がん.症例2:44歳,男性,大腸がん・肝転移・腹膜転移.症例3:77歳,男性,直腸がん,であった.何れの症例も,急性期病院臨床各科による疾病のコントロールおよび当院当科におけるリハ・在宅復帰調整の共同作業が十分に機能を果たし,早期のADL改善が認められた.1症例のみ,当科退院直前に肺炎を発症したため在宅退院が達成できず,急性期病院転院にての精査・治療を行うこととなったが,他の2症例は,本人・家人の希望通り,...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in昭和学士会雑誌 Vol. 73; no. 5; pp. 467 - 473
Main Authors 鮫島, 光博, 水間, 正澄, 加藤, 泉, 佐藤, 新介, 笠井, 史人, 渡辺, 英靖, 川手, 信行, 稲葉, 宏, 和田, 真一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 昭和大学学士会 2013
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN2187-719X
2188-529X
DOI10.14930/jshowaunivsoc.73.467

Cover

More Information
Summary:急性期病院臨床各科との連携にて積極的リハビリテーション(以下リハ)の介入に成功し,在宅復帰レベルまでの改善を果たし得た進行がん患者の3症例を経験したので報告する.症例1:75歳,男性,肝細胞がん.症例2:44歳,男性,大腸がん・肝転移・腹膜転移.症例3:77歳,男性,直腸がん,であった.何れの症例も,急性期病院臨床各科による疾病のコントロールおよび当院当科におけるリハ・在宅復帰調整の共同作業が十分に機能を果たし,早期のADL改善が認められた.1症例のみ,当科退院直前に肺炎を発症したため在宅退院が達成できず,急性期病院転院にての精査・治療を行うこととなったが,他の2症例は,本人・家人の希望通り,早期の在宅退院を果たし得た.従来から,がん治療の領域におけるリハへの期待・要望は大きなものがある.そして近年,その期待・要望は更に大きなものとなりつつある.それらに十分に応えるため,今後はさらに深く急性期病院臨床各科とコミュニケーションを綿密に取り,ケースに応じた細やかな対応を考えた上での積極的リハ介入を行っていく必要があると考えられた.
ISSN:2187-719X
2188-529X
DOI:10.14930/jshowaunivsoc.73.467