末梢性が疑われたが中枢性めまいであった3例の検討

今回われわれは末梢性めまいの疑いで他科から紹介され中枢性めまいと診断した3例を経験したため報告する.1例目は33歳の男性で,受診する1日前から嘔気と頸部痛を認め,翌日から強いめまいを自覚し救急科を受診した.頭部CT検査などで異常は認めず良性発作性頭位めまい症の疑いで耳鼻咽喉科へ紹介されたが,垂直性眼振を認めたことから頭部MRI検査を施行しWallenberg症候群と診断した.2例目は46歳の女性で,急性胃腸炎の治療後からめまいと吃逆を認め消化器内科を受診した.メニエール病の疑いで耳鼻咽喉科へ紹介されたが,垂直性眼振と嚥下障害を認めたことから頭部MRI検査を施行し脳幹炎を認め,脳神経内科で視神経...

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Published in昭和学士会雑誌 Vol. 83; no. 4; pp. 253 - 258
Main Authors 杉谷, いづみ, 小松﨑, 敏光, 一寸木, 宏和, 松浦, 聖平, 河村, 陽二郎, 藤居, 直和
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 昭和大学学士会 2023
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ISSN2187-719X
2188-529X
DOI10.14930/jshowaunivsoc.83.253

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Summary:今回われわれは末梢性めまいの疑いで他科から紹介され中枢性めまいと診断した3例を経験したため報告する.1例目は33歳の男性で,受診する1日前から嘔気と頸部痛を認め,翌日から強いめまいを自覚し救急科を受診した.頭部CT検査などで異常は認めず良性発作性頭位めまい症の疑いで耳鼻咽喉科へ紹介されたが,垂直性眼振を認めたことから頭部MRI検査を施行しWallenberg症候群と診断した.2例目は46歳の女性で,急性胃腸炎の治療後からめまいと吃逆を認め消化器内科を受診した.メニエール病の疑いで耳鼻咽喉科へ紹介されたが,垂直性眼振と嚥下障害を認めたことから頭部MRI検査を施行し脳幹炎を認め,脳神経内科で視神経脊髄炎と診断した.3例目は乳癌の化学療法を施行していた55歳の女性で,経過中にめまいや頭痛が出現したため治療を行っている乳腺科を受診した.良性発作性頭位めまい症の疑いで耳鼻咽喉科へ紹介されたが頭部CT検査を施行し乳癌の脳転移と診断した.いずれの症例も診断には画像検査が有用であった.
ISSN:2187-719X
2188-529X
DOI:10.14930/jshowaunivsoc.83.253