インターフェロン著効後も肝機能異常が続き, 組織学的に非アルコール性脂肪性肝炎と診断したC型慢性肝炎の1例

C型慢性肝炎に対してインターフェロン療法を施行し, ウイルス学的著効を得た後も, 肝機能異常が持続する1例を経験した. 脂肪肝の悪化を疑ってエコー下肝生検を施行したところ, インターフェロン投与前にはみられなかった肝細胞周囲性線維化を伴う中心静脈周囲の線維化と肝細胞質内のマロリー体の形成, 炎症性細胞浸潤を認め, 非アルコール性脂肪性肝炎 (NASH) と診断した. BMIは24.8で肥満はなく, 投与前から投与後に至るまで体重の増加は認めなかった. 以上より, 肥満に伴う代謝異常のみならず, C型肝炎ウイルス感染やインターフェロン治療後の修飾, さらに薬剤投与なども本症例におけるNASHの発...

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Published in肝臓 Vol. 44; no. 11; pp. 552 - 558
Main Authors 青柳, 豊, 大越, 章吾, 高橋, 達, 栗田, 聡
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本肝臓学会 2003
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ISSN0451-4203
1881-3593
DOI10.2957/kanzo.44.552

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Summary:C型慢性肝炎に対してインターフェロン療法を施行し, ウイルス学的著効を得た後も, 肝機能異常が持続する1例を経験した. 脂肪肝の悪化を疑ってエコー下肝生検を施行したところ, インターフェロン投与前にはみられなかった肝細胞周囲性線維化を伴う中心静脈周囲の線維化と肝細胞質内のマロリー体の形成, 炎症性細胞浸潤を認め, 非アルコール性脂肪性肝炎 (NASH) と診断した. BMIは24.8で肥満はなく, 投与前から投与後に至るまで体重の増加は認めなかった. 以上より, 肥満に伴う代謝異常のみならず, C型肝炎ウイルス感染やインターフェロン治療後の修飾, さらに薬剤投与なども本症例におけるNASHの発症要因である可能性がある.
ISSN:0451-4203
1881-3593
DOI:10.2957/kanzo.44.552