総胆管結石症に対するCT-cholangiographyの基礎的,臨床的検討

総胆管結石症診断におけるCT-cholangiographyの有用性を明らかにする目的で,415症例に対し検討を行った.基礎的検討により,造影剤量は従来のIVCで用いる量より少量でも施行でき,撮影時間は30~60分が適当であることをCT値を用いて明らかにした.肝外胆管描出能に関する臨床的検討を行うと,胆管CT値は正常群における年代別検討では高齢者において低下傾向を認めず,また肝疾患群でも正常群に比し有意の低値を示さなかった.IVC造影像とCT値との比較により,不明瞭群,陰性群でも本法で読影可能な症例が多いことを示し,CTにおける胆管径別の描出率の検討では,CTの胆管病変に対する限界をより明らか...

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Published in胆道 Vol. 3; no. 1; pp. 18 - 28
Main Authors 岡山, 安孝, 後藤, 和夫, 野口, 良樹, 松葉, 周三, 神谷, 泰隆, 大原, 弘隆, 中山, 善秀, 伊藤, 信孝, 滝本, 一, 武内, 俊彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本胆道学会 1989
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Summary:総胆管結石症診断におけるCT-cholangiographyの有用性を明らかにする目的で,415症例に対し検討を行った.基礎的検討により,造影剤量は従来のIVCで用いる量より少量でも施行でき,撮影時間は30~60分が適当であることをCT値を用いて明らかにした.肝外胆管描出能に関する臨床的検討を行うと,胆管CT値は正常群における年代別検討では高齢者において低下傾向を認めず,また肝疾患群でも正常群に比し有意の低値を示さなかった.IVC造影像とCT値との比較により,不明瞭群,陰性群でも本法で読影可能な症例が多いことを示し,CTにおける胆管径別の描出率の検討では,CTの胆管病変に対する限界をより明らかにした. 総胆管結石症5 7 例の各種画像検査法による診断率の比較を行うと,US32%, IVC44%, ERC100%, CT37%, 本法96%であり,本法が著しく優れていた.また結石の大きさ別の検討では,特に5mm以下の小結石に対する有用性が明らかとなった.
ISSN:0914-0077
1883-6879
DOI:10.11210/tando1987.3.1_18