一地方都市のエイズ治療拠点病院に外来通院しているHIV感染者の抑うつに影響を及ぼす要因

目的:本研究は,一地方都市のエイズ治療拠点病院に通院中のHIV感染者の抑うつに影響を及ぼす要因を明らかにすることを目的としている。方法:神奈川県のエイズ診療拠点A病院における外来通院中のHIV感染者を対象に基本的属性,日本語版CES-D,日本語版ソーシャルサポート尺度,日本語版Brief COPEから成る自記式質問紙調査を行った。結果:対象者は100名で,そのうち33名(33.0%)が抑うつありを占めていた。ロジスティック回帰分析の結果,HIV感染者の抑うつのリスクを高める要因は,正規雇用以外であること,自己非難のコーピングを多用することであり,抑うつのリスクを低下させる要因は,大切な人のサポ...

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Published in日本看護研究学会雑誌 Vol. 44; no. 4; pp. 4_665 - 6_675
Main Authors 青盛, 真紀, 渡部, 節子, 森, みずえ
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本看護研究学会 20.10.2021
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Summary:目的:本研究は,一地方都市のエイズ治療拠点病院に通院中のHIV感染者の抑うつに影響を及ぼす要因を明らかにすることを目的としている。方法:神奈川県のエイズ診療拠点A病院における外来通院中のHIV感染者を対象に基本的属性,日本語版CES-D,日本語版ソーシャルサポート尺度,日本語版Brief COPEから成る自記式質問紙調査を行った。結果:対象者は100名で,そのうち33名(33.0%)が抑うつありを占めていた。ロジスティック回帰分析の結果,HIV感染者の抑うつのリスクを高める要因は,正規雇用以外であること,自己非難のコーピングを多用することであり,抑うつのリスクを低下させる要因は,大切な人のサポートであることが明らかになった。結論:日常の診察場面において,自己非難コーピングの有無や大切な人の存在を把握することは抑うつの予防的看護介入の一助になると考える。
ISSN:2188-3599
2189-6100
DOI:10.15065/jjsnr.20210118123