若年者原発性肝内コレステロール胆石症の1例

原発性肝内コレステロール胆石症の報告は散見されるようになったが,若年者例の報告は21例中3例と少ない.本報告例は23歳男子で右季肋部痛に続く肝機能障害にて入院,超音波にて胆嚢内small high echoおよび肝右葉後区域に多数の微細なhigh echo spotを認め,胆嚢結石および肝内結石の疑いで手術を行った.術中胆道造影で右葉後下区域枝末梢に微細な透亮像を認め肝内結石症と診断,T-tubeを留置した.術後胆道鏡的切石を試みたが切石困難のため,肝石葉後下区域切除を行った.切除肝肝内胆管枝には無数の微細な結石が存在し肝切除が妥当であったことが証明された.分析の結果,成分の98%がコレステロ...

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Published in胆道 Vol. 5; no. 1; pp. 84 - 89
Main Authors 松原, 俊樹, 末永, 昌宏, 岡田, 喜克, 杉浦, 勇人, 上原, 伸一, 大輪, 芳裕
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本胆道学会 1991
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Summary:原発性肝内コレステロール胆石症の報告は散見されるようになったが,若年者例の報告は21例中3例と少ない.本報告例は23歳男子で右季肋部痛に続く肝機能障害にて入院,超音波にて胆嚢内small high echoおよび肝右葉後区域に多数の微細なhigh echo spotを認め,胆嚢結石および肝内結石の疑いで手術を行った.術中胆道造影で右葉後下区域枝末梢に微細な透亮像を認め肝内結石症と診断,T-tubeを留置した.術後胆道鏡的切石を試みたが切石困難のため,肝石葉後下区域切除を行った.切除肝肝内胆管枝には無数の微細な結石が存在し肝切除が妥当であったことが証明された.分析の結果,成分の98%がコレステロールであった.
ISSN:0914-0077
1883-6879
DOI:10.11210/tando1987.5.1_84