発症早期の血漿交換療法が奏効した視神経脊髄炎関連疾患の1例
症例は39歳女性である.嘔吐と難治性吃逆が先行し,その後,嚥下・構音障害,舌下神経麻痺が進行したため第30病日に入院した.頭部MRIでは延髄背側にFLAIR高信号域をみとめ,病歴と病変から視神経脊髄炎関連疾患(neuromyelitis optica spectrum disorder; NMOSD)と診断した.メチルプレドニゾロンパルス治療開始後も嚥下障害の増悪をみとめたことから,第32病日より血漿交換療法(plasma exchange therapy; PE)を追加したところ,3回目のPE終了後より症状は改善した.その後に抗アクアポリン4抗体陽性が判明した.NMOSDは不可逆的な経過を呈...
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Published in | 臨床神経学 Vol. 55; no. 1; pp. 41 - 44 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本神経学会
2015
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Subjects | |
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ISSN | 0009-918X 1882-0654 |
DOI | 10.5692/clinicalneurol.55.41 |
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Summary: | 症例は39歳女性である.嘔吐と難治性吃逆が先行し,その後,嚥下・構音障害,舌下神経麻痺が進行したため第30病日に入院した.頭部MRIでは延髄背側にFLAIR高信号域をみとめ,病歴と病変から視神経脊髄炎関連疾患(neuromyelitis optica spectrum disorder; NMOSD)と診断した.メチルプレドニゾロンパルス治療開始後も嚥下障害の増悪をみとめたことから,第32病日より血漿交換療法(plasma exchange therapy; PE)を追加したところ,3回目のPE終了後より症状は改善した.その後に抗アクアポリン4抗体陽性が判明した.NMOSDは不可逆的な経過を呈することがあり,ステロイド治療抵抗性の症例には早期からPEを選択し,神経障害を最小限におさえる必要があると考える. |
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ISSN: | 0009-918X 1882-0654 |
DOI: | 10.5692/clinicalneurol.55.41 |