IL-10ノックアウトマウス腸炎におけるTh1/Th17バランスへの抗原提示細胞の関与

【背景】近年、Th1/Th2に続くの第3のhelperT細胞サブセットとしてIL-17を産生するTh17が注目されている。そのような中、IL-12/23はそれぞれTh1/Th17制御に深く関わることから、炎症性腸疾患のkey cytokineとして捉えられつつある。我々はこれまでにIL-10ノックアウト(KO)マウスではマクロファージ(Mφ)が腸内細菌に反応しIL-12/23を高産生することを明らかにしたが、今回IL-10KOマウスにおいてMφ・樹状細胞(DC)が、Th1/Th17バランスを如何に制御しているのか検討を行った。 【方法・結果】RT-PCR、細胞質内サイトカイン染色、ELISAで...

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Published inNihon Rinsho Men'eki Gakkai Sokai Shorokushu Vol. 35; p. 57
Main Authors 知念, 寛, 新井, 久美子, 鎌田, 信彦, 井上, 詠, 日比, 紀文, 久松, 理一, 小林, 拓, 磯部, 健一, 岡本, 晋
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床免疫学会 2007
The Japan Society for Clinical Immunology
Subjects
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ISSN1880-3296
DOI10.14906/jscisho.35.0.57.0

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Summary:【背景】近年、Th1/Th2に続くの第3のhelperT細胞サブセットとしてIL-17を産生するTh17が注目されている。そのような中、IL-12/23はそれぞれTh1/Th17制御に深く関わることから、炎症性腸疾患のkey cytokineとして捉えられつつある。我々はこれまでにIL-10ノックアウト(KO)マウスではマクロファージ(Mφ)が腸内細菌に反応しIL-12/23を高産生することを明らかにしたが、今回IL-10KOマウスにおいてMφ・樹状細胞(DC)が、Th1/Th17バランスを如何に制御しているのか検討を行った。 【方法・結果】RT-PCR、細胞質内サイトカイン染色、ELISAではIL-10KOマウス大腸においてIFN-γ、IL-17の産生がともに亢進していた。骨髄由来Mφ・DCはともに細菌抗原に反応しIL-12/23を高産生することが確認され、この培養上清をCD4+T細胞に加えて刺激すると産生されるIFN-γ、IL-17がともに著明に増加したが、ナイーブT細胞からの分化過程においてはDC/Mφの培養上清を加えるとTh1のみが誘導された。これらの影響は培養上清中のIL-10欠如のみに依存するものでないことも確認できた。 【結論】IL-10KOマウスMφ/DCは炎症腸管局所ではT細胞からのTh1/Th17双方のサイトカイン産生を誘導している一方で、分化過程においてはTh1誘導に働いていることが示唆された。
Bibliography:W4-4
ISSN:1880-3296
DOI:10.14906/jscisho.35.0.57.0