脂肪負荷後のリポ蛋白トリグリセライドにおよぼす一過性の低強度運動の影響

本研究は血中脂質レベルが正常で, かつ肥満傾向のない健常な成人男性を対象とし, 外因性脂質除去過程におけるリポ蛋白トリグリセライドにおよぼす一過性の低強度運動の影響を検討することを目的とした. 結果は以下の通りである. 1) 一過性の低強度運動により外因性のリポ蛋白TGレベルの低下が促進し, T-TGおよびHDL-TGの運動後の有意な減少が観察された.これらの結果は, 一過性ではあるが抗動脈硬化的な現象を示唆しているかもしれない. 2) 本研究は1日のわずか5時間半という短時間の研究であるが, 食後高脂血症に対して, 動脈硬化の予防という観点から運動の影響を検討するためには, 長時間の研究も必...

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Published in体力科学 Vol. 47; no. 3; pp. 305 - 311
Main Authors 芳賀, 脩光, 木崎, 節子, 〓, 祥容, 小関, 迪, 宇根, かおり, 中田, 雅朗, 佐藤, 祐造, 大野, 秀樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本体力医学会 1998
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ISSN0039-906X
1881-4751
DOI10.7600/jspfsm1949.47.305

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Summary:本研究は血中脂質レベルが正常で, かつ肥満傾向のない健常な成人男性を対象とし, 外因性脂質除去過程におけるリポ蛋白トリグリセライドにおよぼす一過性の低強度運動の影響を検討することを目的とした. 結果は以下の通りである. 1) 一過性の低強度運動により外因性のリポ蛋白TGレベルの低下が促進し, T-TGおよびHDL-TGの運動後の有意な減少が観察された.これらの結果は, 一過性ではあるが抗動脈硬化的な現象を示唆しているかもしれない. 2) 本研究は1日のわずか5時間半という短時間の研究であるが, 食後高脂血症に対して, 動脈硬化の予防という観点から運動の影響を検討するためには, 長時間の研究も必要であると考えられる.また, どのような運動強度および一回の運動時間を与えたのかも考慮されなければならい.それらに影響するリポ蛋白粒子のサイズおよび組成に関しては未解明の点が多く, 今後さらに詳細な検討が必要であると思われる.
ISSN:0039-906X
1881-4751
DOI:10.7600/jspfsm1949.47.305