嚥下造影検査を用いた経口的咽喉頭切除術 (TOVS) 後嚥下機能の解析

目的: 咽喉頭癌に対する機能温存治療として, 近年本邦においても経口的切除の普及が進んでいる. 経口的切除は従来の手術治療と比較して良好な術後嚥下機能が温存可能であり, その有用性から昨今は徐々に経口的切除の適応範囲が拡大する傾向にある. しかしながら, 経口的切除術においても術後急性期の嚥下障害は時に重要な合併症を引き起こす. これまで経口切除術後の最終的な嚥下機能や嚥下障害の危険因子についての検討は行われているものの, 術後急性期を対象とした検討は明らかでない. 本検討は経口的咽喉頭切除術(TOVS)の周術期に撮影した嚥下透視検査(VF)より術後の嚥下障害の発生機序, 経過および危険因子を...

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Published in日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会会報 Vol. 127; no. 8; pp. 962 - 963
Main Authors 木村, 栄子, 冨藤, 雅之, 宇野, 光祐, 谷合, 信一, 荒木, 幸仁, 塩谷, 彰浩
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 20.08.2024
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
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Summary:目的: 咽喉頭癌に対する機能温存治療として, 近年本邦においても経口的切除の普及が進んでいる. 経口的切除は従来の手術治療と比較して良好な術後嚥下機能が温存可能であり, その有用性から昨今は徐々に経口的切除の適応範囲が拡大する傾向にある. しかしながら, 経口的切除術においても術後急性期の嚥下障害は時に重要な合併症を引き起こす. これまで経口切除術後の最終的な嚥下機能や嚥下障害の危険因子についての検討は行われているものの, 術後急性期を対象とした検討は明らかでない. 本検討は経口的咽喉頭切除術(TOVS)の周術期に撮影した嚥下透視検査(VF)より術後の嚥下障害の発生機序, 経過および危険因子を解析し, TOVSの周術期合併症の減少を目的とした.
ISSN:2436-5793
2436-5866
DOI:10.3950/jibiinkotokeibu.127.8_962