イヌの栄養診断におけるボディコンディションスコアモデルの有用性

ボディコンディションスコア (BCS) は獣医療現場で最もよく用いられる栄養診断法の一つである。しかし官能評価であるため、診断者によって評価値に差の出ることが指摘されている。そこで、いくつかの素材を組み合わせて5段階法のBCSモデルを作成した。動物看護系大学の学生を対象に、BCSモデルの有無でBCS診断をさせ、評価値のバラツキを比較した。その結果、BCS3と4と診断された群において、BCSモデルで診断した場合に比較して、ありで診断した場合評価値のバラツキが統計的に有意に減少することが明らかになった。さらに、一般の飼い主を対象に、BCSモデルを用いてイヌのBCSを診断させたところ、イヌの栄養状態...

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Published inJournal of Pet Animal Nutrition Vol. 17; no. Suppl; pp. 41 - 42
Main Authors 古川, 菜々, 小林, 豊和, 小林, なつみ, 久須, 美明子, 小泉, 亜希子, 大辻, 一也, 鈴木, 真理
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本ペット栄養学会 2014
Japanese Society of Pet Animal Nutrition
Subjects
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ISSN1344-3763
2185-7601
DOI10.11266/jpan.17.41

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Summary:ボディコンディションスコア (BCS) は獣医療現場で最もよく用いられる栄養診断法の一つである。しかし官能評価であるため、診断者によって評価値に差の出ることが指摘されている。そこで、いくつかの素材を組み合わせて5段階法のBCSモデルを作成した。動物看護系大学の学生を対象に、BCSモデルの有無でBCS診断をさせ、評価値のバラツキを比較した。その結果、BCS3と4と診断された群において、BCSモデルで診断した場合に比較して、ありで診断した場合評価値のバラツキが統計的に有意に減少することが明らかになった。さらに、一般の飼い主を対象に、BCSモデルを用いてイヌのBCSを診断させたところ、イヌの栄養状態がよく理解できたと答えた。これら結果から、BCSモデルは獣医臨床現場において診断に役立つとともに、一般の飼い主がイヌの栄養状態を把握するのにも役立つことが示唆された。
ISSN:1344-3763
2185-7601
DOI:10.11266/jpan.17.41