立体異性ポリ乳酸混合物のモルフォロジー形成におけるヘキサフルオロ-2-プロパノールの影響
ポリ-L-乳酸(PLLA)とポリ-D-乳酸(PDLA)の等量混合物を用い,キャスト溶媒としてヘキサフルオロ-2-プロパノール(HFIP)とクロロホルム(CHL)を用いて,半結晶性のキャストフィルムmix-PLA(HFIP)とmix-PLA(CHL)を作成し,それらの結晶形態を比較した.熱処理(アニーリング)をする前において,mix-PLA(CHL)では,PLLAとPDLAが対で作るステレオコンプレックス晶(sc晶)だけが形成されるのに対し,mix-PLA(HFIP)ではPLLAとPDLAが単独で作るα晶が主成分で,それと少量のsc晶が混在する形態が形成された.これらのフィルムを200°Cで熱処...
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Published in | 高分子論文集 Vol. 75; no. 6; pp. 613 - 618 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 高分子学会
25.11.2018
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ISSN | 0386-2186 1881-5685 |
DOI | 10.1295/koron.2018-0027 |
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Summary: | ポリ-L-乳酸(PLLA)とポリ-D-乳酸(PDLA)の等量混合物を用い,キャスト溶媒としてヘキサフルオロ-2-プロパノール(HFIP)とクロロホルム(CHL)を用いて,半結晶性のキャストフィルムmix-PLA(HFIP)とmix-PLA(CHL)を作成し,それらの結晶形態を比較した.熱処理(アニーリング)をする前において,mix-PLA(CHL)では,PLLAとPDLAが対で作るステレオコンプレックス晶(sc晶)だけが形成されるのに対し,mix-PLA(HFIP)ではPLLAとPDLAが単独で作るα晶が主成分で,それと少量のsc晶が混在する形態が形成された.これらのフィルムを200°Cで熱処理すると,両者とも結晶は,sc晶へと変化したが,mix-PLA(HFIP)の結晶ドメインのサイズはmix-PLA(CHL)のものよりも大きくなった. |
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ISSN: | 0386-2186 1881-5685 |
DOI: | 10.1295/koron.2018-0027 |