飛騨外縁帯福地の石炭系一の谷層産腕足類パードネラとその古生物地理学的重要性

飛騨外縁帯福地の一の谷層下部(Bashkirian)から腕足類Purdonella tschernyschewiformis(Ozaki)の産出が確認された.本論文では,P. tschernyschewiformisを含めたPurdonella属のすべての種について,層位的(時代的)・地理的分布をまとめ,古生物地理学的検討を行った.その結果Purdonellaが後期石炭紀~前期ペルム紀のボレアル型あるいは両極型(非熱帯型)腕足類であり,P. tschernyschewiformisは中国東北部・北西部の上部石炭系からの産出記録があることが判明した.以上のデータをもとに,後期石炭紀の頃,福地を含...

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Published in地質学雑誌 Vol. 116; no. 3; pp. 127 - 133
Main Authors 田沢, 純一, 三宅, 幸雄, 新川, 公
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本地質学会 2010
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Summary:飛騨外縁帯福地の一の谷層下部(Bashkirian)から腕足類Purdonella tschernyschewiformis(Ozaki)の産出が確認された.本論文では,P. tschernyschewiformisを含めたPurdonella属のすべての種について,層位的(時代的)・地理的分布をまとめ,古生物地理学的検討を行った.その結果Purdonellaが後期石炭紀~前期ペルム紀のボレアル型あるいは両極型(非熱帯型)腕足類であり,P. tschernyschewiformisは中国東北部・北西部の上部石炭系からの産出記録があることが判明した.以上のデータをもとに,後期石炭紀の頃,福地を含む飛騨外縁帯は,北中国(中朝地塊)東縁の大陸棚であったと推定される.
ISSN:0016-7630
1349-9963
DOI:10.5575/geosoc.116.127