無機化合物粉体存在下のメタクリル酸メチルの重合におけるカプセル化機構

水媒体中, 2, 2′-アゾビス (2-アミジノプロパン) 塩酸塩または過硫酸カリウム (KPS) により, 硫酸バリウム (BaSO4) あるいは無機酸化物粉体存在下において, メタクリル酸メチルのラジカル重合を行った. 無機化合物粉体の表面電位とポリマー末端のイオン性基をかえることにより, 界面化学的観点から, 生成ポリマーによる無機化合物粉体のカプセル化機構について検討した. 種々の重合系において, 無機化合物粉体とポリマー末端基が逆に帯電する場合, カプセル化が良好に進行した. 無機化合物粉体表面とポリマー末端のイオン性基との静電的相互作用が, 重合初期のカプセル化に重要な役割を果たす...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in高分子論文集 Vol. 40; no. 4; pp. 259 - 266
Main Authors 山口, 格, 小野, 堯之, 岩井, 隆賀, 野沢, 正行, 関根, 正裕, 岡田, 知之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 高分子学会 1983
Online AccessGet full text
ISSN0386-2186
1881-5685
DOI10.1295/koron.40.259

Cover

More Information
Summary:水媒体中, 2, 2′-アゾビス (2-アミジノプロパン) 塩酸塩または過硫酸カリウム (KPS) により, 硫酸バリウム (BaSO4) あるいは無機酸化物粉体存在下において, メタクリル酸メチルのラジカル重合を行った. 無機化合物粉体の表面電位とポリマー末端のイオン性基をかえることにより, 界面化学的観点から, 生成ポリマーによる無機化合物粉体のカプセル化機構について検討した. 種々の重合系において, 無機化合物粉体とポリマー末端基が逆に帯電する場合, カプセル化が良好に進行した. 無機化合物粉体表面とポリマー末端のイオン性基との静電的相互作用が, 重合初期のカプセル化に重要な役割を果たすことが示された. また, KPS-BaSO4系では, 静電的相互作用の他に末端基とBaSO4との化学的親和性も, カプセル化に寄与することが示唆された. 以上の結果から, 無乳化剤乳化重合におけるポリマー粒子生成機構と関連づけて, カプセル化機構について検討した.
ISSN:0386-2186
1881-5685
DOI:10.1295/koron.40.259