ラット好塩基球白血病細胞内のβ-ヘキソサミニダーゼ遊離に及ぼすピレスロイド系及び有機リン系農薬の影響

被験農薬として10種類のピレスロイド系農薬及び25種類の有機リン系農薬について, 即時型アレルギー作用の指標となるin vitroにおけるRBL-2H3細胞の化学伝達物質である顆粒内酵素β-ヘキソサミニダーゼの遊離に及ぼす影響を検討した. その結果, β-ヘキソサミニダーゼの遊離を亢進させる農薬として, ピレスロイド系農薬のペルメトリン, ピレトリンと有機リン系農薬のEPN, プロチオホス, テルブホスが見いだされた. これらの農薬は比較的高濃度 (200μmol/L) で遊離亢進作用を示したが, 細胞の生存率にはほとんど影響を与えなかったことから, 本亢進作用はIgE抗体を介した化学伝達物質...

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Published in食品衛生学雑誌 Vol. 41; no. 5; pp. 335 - 339
Main Authors 田口, 修三, 吉田, 精作, 田中, 之雄, 堀, 伸二郎, 高垣, 裕
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本食品衛生学会 2000
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ISSN0015-6426
1882-1006
DOI10.3358/shokueishi.41.335

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Summary:被験農薬として10種類のピレスロイド系農薬及び25種類の有機リン系農薬について, 即時型アレルギー作用の指標となるin vitroにおけるRBL-2H3細胞の化学伝達物質である顆粒内酵素β-ヘキソサミニダーゼの遊離に及ぼす影響を検討した. その結果, β-ヘキソサミニダーゼの遊離を亢進させる農薬として, ピレスロイド系農薬のペルメトリン, ピレトリンと有機リン系農薬のEPN, プロチオホス, テルブホスが見いだされた. これらの農薬は比較的高濃度 (200μmol/L) で遊離亢進作用を示したが, 細胞の生存率にはほとんど影響を与えなかったことから, 本亢進作用はIgE抗体を介した化学伝達物質遊離反応系の亢進によることが示唆された.
ISSN:0015-6426
1882-1006
DOI:10.3358/shokueishi.41.335