セルフ・モニタリングが組織内政治の知覚およびスキルに及ぼす影響 セルフ・モニタリングの二次元性に注目して
個人が組織内の政治を認知し,用いる程度には個人差が存在し,前者は組織内政治の知覚,後者は政治スキルと呼ばれる。セルフ・モニタリングはこの両者の規定要因として注目されてきたが,政治スキルとの間には正の相関が認められている一方で,組織内政治の知覚との関連性は,予測に反して無相関であることが報告されている。本研究では,セルフ・モニタリングの2つの下位尺度(感受性,変容性)を考慮することで,組織内政治の知覚および政治スキルとの関連性をより明確にすることを目的とした。調査対象者は正社員として勤務する309名(男性231名,女性78名),平均年齢は44.20歳(SD=8.16歳)であった。結果から,組織内...
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Published in | パーソナリティ研究 Vol. 25; no. 2; pp. 135 - 150 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本パーソナリティ心理学会
01.11.2016
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Subjects | |
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Summary: | 個人が組織内の政治を認知し,用いる程度には個人差が存在し,前者は組織内政治の知覚,後者は政治スキルと呼ばれる。セルフ・モニタリングはこの両者の規定要因として注目されてきたが,政治スキルとの間には正の相関が認められている一方で,組織内政治の知覚との関連性は,予測に反して無相関であることが報告されている。本研究では,セルフ・モニタリングの2つの下位尺度(感受性,変容性)を考慮することで,組織内政治の知覚および政治スキルとの関連性をより明確にすることを目的とした。調査対象者は正社員として勤務する309名(男性231名,女性78名),平均年齢は44.20歳(SD=8.16歳)であった。結果から,組織内政治の知覚は感受性,政治スキルは変容性と強く関連していることが明らかとなり,組織内政治にかかわる個人差とセルフ・モニタリングの関連性を検討する際には,セルフ・モニタリングを多次元で捉える必要があることが示唆された。 |
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ISSN: | 1348-8406 1349-6174 |
DOI: | 10.2132/personality.25.135 |