小児デュシェンヌ型筋ジストロフィー患者2症例におけるロクロニウムの作用とスガマデクスによる拮抗

小児デュシェンヌ型筋ジストロフィー患者2例で,ロクロニウムによる筋弛緩の作用とスガマデクスによる拮抗を評価した.遺伝子診断されていた2歳と12歳の男児に,完全静脈麻酔下で加速度マイオグラムにて尺骨神経四連刺激による母指内転筋反応を導出し,四連刺激とpost-tetanic count(PTC)を用いて筋弛緩薬の作用状態を経時的に評価した.ロクロニウム0.6mg/kgを投与し,PTC≧1まで回復した時点でスガマデクスを投与した.ロクロニウムの効果発現に要する時間,自然回復にかかる時間,スガマデクスによる拮抗に要する時間は,正常児のそれに比べ延長しており病期の進行した症例でより延長が強かった....

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Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 32; no. 5; pp. 798 - 802
Main Authors 鈴木, 孝浩, 山本, 信一, 五十嵐, 千尋, 藪崎, 貴美子, 宮澤, 典子, 肥川, 義雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床麻酔学会 2012
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ISSN0285-4945
1349-9149
DOI10.2199/jjsca.32.798

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Summary:小児デュシェンヌ型筋ジストロフィー患者2例で,ロクロニウムによる筋弛緩の作用とスガマデクスによる拮抗を評価した.遺伝子診断されていた2歳と12歳の男児に,完全静脈麻酔下で加速度マイオグラムにて尺骨神経四連刺激による母指内転筋反応を導出し,四連刺激とpost-tetanic count(PTC)を用いて筋弛緩薬の作用状態を経時的に評価した.ロクロニウム0.6mg/kgを投与し,PTC≧1まで回復した時点でスガマデクスを投与した.ロクロニウムの効果発現に要する時間,自然回復にかかる時間,スガマデクスによる拮抗に要する時間は,正常児のそれに比べ延長しており病期の進行した症例でより延長が強かった.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.32.798