人工炭酸浴に関する研究 (第2報) 炭酸ガス浴剤の皮膚血流増加作用と保温作用

炭酸泉は休止期の火山地帯に多く, 地殻の深いところから湧き出るために旧大陸のヨーロッパ諸国に多くみられ, 日本のような活火山の多い国では数が少ない. 従って日本では炭酸泉といえば, 人工炭酸泉に関する研究が多く行なわれる傾向にある. 炭酸泉の調製方法としては, 水浴中に気体の炭酸ガスを吹き込む方法をとるものが多い. しかし, この方法は高圧炭酸ガスボンベの準備や取り扱い等簡便とはいい難く, 炭酸ガスの水への溶解率も非常に悪いものである. 人工炭酸泉を調製する場合, 炭酸塩と有機酸の化学反応で炭酸ガスを発生させる方が簡単なうえ, 炭酸ガスを効率良く水に溶解させることができる1). ここでは炭酸塩...

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Published in日本温泉気候物理医学会雑誌 Vol. 47; no. 3-4; pp. 130 - 136
Main Authors 河本, 知二, 古元, 嘉昭, 砂川, 満, 萬, 秀憲, 江口, 泰輝, 久保, 裕一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本温泉気候物理医学会 1984
日本温泉気候物理医学会
Subjects
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ISSN0029-0343
1884-3697
DOI10.11390/onki1962.47.130

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Summary:炭酸泉は休止期の火山地帯に多く, 地殻の深いところから湧き出るために旧大陸のヨーロッパ諸国に多くみられ, 日本のような活火山の多い国では数が少ない. 従って日本では炭酸泉といえば, 人工炭酸泉に関する研究が多く行なわれる傾向にある. 炭酸泉の調製方法としては, 水浴中に気体の炭酸ガスを吹き込む方法をとるものが多い. しかし, この方法は高圧炭酸ガスボンベの準備や取り扱い等簡便とはいい難く, 炭酸ガスの水への溶解率も非常に悪いものである. 人工炭酸泉を調製する場合, 炭酸塩と有機酸の化学反応で炭酸ガスを発生させる方が簡単なうえ, 炭酸ガスを効率良く水に溶解させることができる1). ここでは炭酸塩と有機酸からなる錠剤型の人工炭酸ガス浴剤を準備し, この錠剤の血流増加作用と保温作用について測定を行った.
ISSN:0029-0343
1884-3697
DOI:10.11390/onki1962.47.130