周術期
外科周術期に用いる病態別経腸栄養剤としては、生体防御能・免疫能を高めて手術侵襲を相対的に軽減させ得るような特殊栄養成分を含む免疫調整栄養剤 (immunemodulating diet ; 以下、IMDと略) が代表的である。わが国の臨床研究では、感染性合併症発生率の低下などのエビデンスがあるIMDはまだ限られており、術式ごとの決定的な使用法も確立されていない。他の新しい製品を含めたIMDを用いたimmunonutritionは外科手術後の予後改善に貢献する可能性は高く、ある術式に特化した有用性の検証が今後わが国でさらに行われることを期待したい。一方で外科医は、手術手技の向上と栄養管理を含めた...
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Published in | 静脈経腸栄養 Vol. 27; no. 2; pp. 643 - 650 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本静脈経腸栄養学会
2012
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Subjects | |
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ISSN | 1344-4980 1881-3623 |
DOI | 10.11244/jjspen.27.643 |
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Summary: | 外科周術期に用いる病態別経腸栄養剤としては、生体防御能・免疫能を高めて手術侵襲を相対的に軽減させ得るような特殊栄養成分を含む免疫調整栄養剤 (immunemodulating diet ; 以下、IMDと略) が代表的である。わが国の臨床研究では、感染性合併症発生率の低下などのエビデンスがあるIMDはまだ限られており、術式ごとの決定的な使用法も確立されていない。他の新しい製品を含めたIMDを用いたimmunonutritionは外科手術後の予後改善に貢献する可能性は高く、ある術式に特化した有用性の検証が今後わが国でさらに行われることを期待したい。一方で外科医は、手術手技の向上と栄養管理を含めた周術期管理全般の習熟にさらに努めるべきであり、「対照群」の安全性を高める努力が必要である。そのために、個々の症例の病態に適時に対応した経腸栄養剤の使い分けも知っておくべき重要なポイントであろう。 |
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ISSN: | 1344-4980 1881-3623 |
DOI: | 10.11244/jjspen.27.643 |