当院Cancer Boardレジストリにおける脊椎転移手術後合併症のリスク因子検討

はじめに:脊椎転移手術の術後合併症のリスク因子およびフレイルとの関連については未だ不明な点が多い.そこで我々は,フレイルを含めた術後合併症の危険因子を前向きに検討した.対象と方法:後方手術を施行した脊椎転移患者241例を対象とした.術後合併症はClavien-Dindo分類Grade ≧ IIを合併症ありと定義した.年齢,性別,BMI,原発巣,新片桐分類,フランケル分類,パフォーマンスステータス,術前放射線治療,術前化学療法,Spinal Instability Neoplastic Score(SINS),Modified Frailty index(mFI),糖尿病,及びアルブミン値を検討...

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Published inJournal of Spine Research Vol. 15; no. 6; pp. 893 - 900
Main Authors 松尾, 智哉, 神田, 裕太郎, 酒井, 良忠, 由留部, 崇, 黒田, 良祐, 角谷, 賢一朗
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脊椎脊髄病学会 20.06.2024
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Summary:はじめに:脊椎転移手術の術後合併症のリスク因子およびフレイルとの関連については未だ不明な点が多い.そこで我々は,フレイルを含めた術後合併症の危険因子を前向きに検討した.対象と方法:後方手術を施行した脊椎転移患者241例を対象とした.術後合併症はClavien-Dindo分類Grade ≧ IIを合併症ありと定義した.年齢,性別,BMI,原発巣,新片桐分類,フランケル分類,パフォーマンスステータス,術前放射線治療,術前化学療法,Spinal Instability Neoplastic Score(SINS),Modified Frailty index(mFI),糖尿病,及びアルブミン値を検討因子とし,単変量および多変量解析を行った(p < 0.05).結果:241例中47例(19.5%)に57の術後合併症が生じた.単変量解析にてp < 0.10であった,男性,術前放射線療法,mFI,フランケル分類,および術前分子標的薬を多変量解析に含めた.mFIのカットオフ値は0.23(感度;46.8%,特異度;79.9%)であった.多変量解析により,mFI ≧ 0.23(p = 0.003,オッズ比2.82)及び術前放射線治療(p = 0.049,オッズ比2.11)を独立した合併症発生のリスク因子として同定した.また,mFI ≧ 0.23は尿路感染症(p = 0.012)および肺炎(p = 0.037)と関連していた.結語:mFIと術前放射線治療は脊椎転移術後合併症の発生予測因子である.
ISSN:1884-7137
2435-1563
DOI:10.34371/jspineres.2024-0613