亜急性腰痛に対するマッケンジー法を併用した運動療法の効果と有効率に影響する因子

はじめに:マッケンジー法(以下,MDT)は症状が改善する運動・姿勢を見つけ出し,それを実施する運動療法である.本研究の目的は,亜急性腰痛患者に対するMDTを併用した運動療法の効果と有効率に影響する因子を分析することである.対象と方法:対象は,腰痛発症後4週以上から3ヶ月未満の亜急性腰痛により運動療法を実施した腰椎変性疾患患者210例とした.運動療法でストレッチ,体幹筋強化にMDT併用の有無で群分けした(MDT併用あり:79例,併用:131例).初回から1ヶ月,3ヶ月の臨床成績をVAS,ODI,JOABPEQの有効率で比較し,それに影響する因子を解析した.結果:両群とも1,3ヶ月後で臨床成績の改...

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Published inJournal of Spine Research Vol. 16; no. 6; pp. 891 - 899
Main Authors 亀島, 将士, 土居, 克三, 竹内, 慶法, 大石, 陽介, 村瀬, 正昭, 葉, 清規, 対馬, 栄輝, 松田, 陽子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脊椎脊髄病学会 20.06.2025
日本脊椎脊髄病学会
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ISSN1884-7137
2435-1563
DOI10.34371/jspineres.2025-3013

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Summary:はじめに:マッケンジー法(以下,MDT)は症状が改善する運動・姿勢を見つけ出し,それを実施する運動療法である.本研究の目的は,亜急性腰痛患者に対するMDTを併用した運動療法の効果と有効率に影響する因子を分析することである.対象と方法:対象は,腰痛発症後4週以上から3ヶ月未満の亜急性腰痛により運動療法を実施した腰椎変性疾患患者210例とした.運動療法でストレッチ,体幹筋強化にMDT併用の有無で群分けした(MDT併用あり:79例,併用:131例).初回から1ヶ月,3ヶ月の臨床成績をVAS,ODI,JOABPEQの有効率で比較し,それに影響する因子を解析した.結果:両群とも1,3ヶ月後で臨床成績の改善がみられた.MDT併用あり群は1ヶ月のJOABPEQ疼痛関連障害の獲得点数が高く,疼痛関連障害,腰椎機能障害の有効率は有意に高かった.MDT併用あり群のうち有効率の効果あり群は,初回腰椎機能障害が重度であった.結語:亜急性腰痛患者に対してMDTを併用した運動療法を実施することは,併用しない場合と比較して短期臨床成績が改善していたことからQOLの改善に有効な可能性がある.
ISSN:1884-7137
2435-1563
DOI:10.34371/jspineres.2025-3013