デジタルカメラ撮影によるsagittal vertical axis評価の信頼性とX線との関連性

はじめに:本研究の目的は,非侵襲的であるデジタルカメラ撮影によるSVA(デジカメSVA)の信頼性およびX線との関連性を検証することである.対象と方法:対象は,健常者6例および脊柱後弯症患者8例である.デジカメSVAは立位にてC7棘突起,両上後腸骨棘の中点にマーカーを装着して撮影した.その後,Image Jを使用してデジカメSVAを算出した.統計解析は,級内相関係数(ICC),Spearmanの順位相関係数を用いた.結果:健常者6例でのデジカメSVAの「マーカー装着から撮影」では,ICC(1,1)=0.83~0.84,ICC(2,1)=0.93~0.97であった.また,脊柱後弯症患者8例での「I...

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Published inJournal of Spine Research Vol. 15; no. 9; pp. 1187 - 1194
Main Authors 宮城島, 一史, 石田, 和宏, 東, 裕一, 葉, 清規, 対馬, 栄輝, 柳橋, 寧, 百町, 貴彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脊椎脊髄病学会 20.09.2024
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Summary:はじめに:本研究の目的は,非侵襲的であるデジタルカメラ撮影によるSVA(デジカメSVA)の信頼性およびX線との関連性を検証することである.対象と方法:対象は,健常者6例および脊柱後弯症患者8例である.デジカメSVAは立位にてC7棘突起,両上後腸骨棘の中点にマーカーを装着して撮影した.その後,Image Jを使用してデジカメSVAを算出した.統計解析は,級内相関係数(ICC),Spearmanの順位相関係数を用いた.結果:健常者6例でのデジカメSVAの「マーカー装着から撮影」では,ICC(1,1)=0.83~0.84,ICC(2,1)=0.93~0.97であった.また,脊柱後弯症患者8例での「Image Jでの測定」では,ICC(1,1)=0.99,ICC(2,1)=0.99であった.デジカメSVAと立位全脊柱X線側面像によるSVAの間に中等度の相関を認めた(rs = 0.86~0.90).結語:デジカメSVA評価は,高い検者内・検者間信頼性があり,X線とも中等度の相関を認めた.簡便かつ非侵襲的であり,頻回に測定可能であることから,経時的変化の追跡や理学療法の効果判定が可能と考える.
ISSN:1884-7137
2435-1563
DOI:10.34371/jspineres.2023-0011