貧血を契機に診断された多発空腸癌の1例

症例は43歳,男性.主訴は易疲労感.小球性低色素性貧血を認め,消化管出血を疑った.上部下部消化管検査では特に異常なく,有管法の小腸X線検査でTreitz靱帯より約30cm肛門側に長径約4cmのoverhanging edgeを伴う不整な全周性狭窄を認め,進行空腸癌と診断した.空腸部分切除術を施行し,標本上大腸癌取り扱い規約に準じ,長径65mmの2型(se)とその口側約6cmに術前に指摘できなかった長径22mmのIIa型(m)を認めた.多発空腸癌の報告例は稀であり, IIa型を術前診断できなかったが, 2型の空腸癌の診断に有管法の小腸X線検査は有用であった....

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Published in日本内科学会雑誌 Vol. 93; no. 1; pp. 147 - 149
Main Authors 中江, 康之, 許, 聖服, 小川, 裕, 浜島, 英司, 後藤, 秀実, 今田, 数実, 白井, 修, 鈴木, 敏行, 内田, 博起, 井本, 正巳, 廣瀬, 善道
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本内科学会 2004
Subjects
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ISSN0021-5384
1883-2083
DOI10.2169/naika.93.147

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Summary:症例は43歳,男性.主訴は易疲労感.小球性低色素性貧血を認め,消化管出血を疑った.上部下部消化管検査では特に異常なく,有管法の小腸X線検査でTreitz靱帯より約30cm肛門側に長径約4cmのoverhanging edgeを伴う不整な全周性狭窄を認め,進行空腸癌と診断した.空腸部分切除術を施行し,標本上大腸癌取り扱い規約に準じ,長径65mmの2型(se)とその口側約6cmに術前に指摘できなかった長径22mmのIIa型(m)を認めた.多発空腸癌の報告例は稀であり, IIa型を術前診断できなかったが, 2型の空腸癌の診断に有管法の小腸X線検査は有用であった.
ISSN:0021-5384
1883-2083
DOI:10.2169/naika.93.147