Chenodeoxycholic Acid Radioimmunoassayの開発と応用-特に血中胆汁酸測定の臨床的意義および胆汁酸の日内変動について

血中chenodeoxycholic acid (CDCA)を簡便に測定するため十分な精度と特異性を有するradioimmunoassayを開発し,これを用いて肝胆道疾患における血中CDCA測定の臨床的意義および胆汁酸の日内変動について検討した.その結果(1) 本assayの信頼度は交叉反応,希釈および添加試験により十分満足すべきものであった.検出限界感度は10pmoleで,血中総CDCAの測定が可能であった.(2) 血中CDCA濃度は正常人0.59±0.29nmole/mlであったが,急性肝炎,慢性肝炎,肝硬変症,肝細胞癌,閉塞性黄疸でいずれも有意に増加し,本測定も肝障害のスクリーニングテス...

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Published in肝臓 Vol. 24; no. 9; pp. 981 - 988
Main Authors 藤間, 貞彦, 篠崎, 堅次郎, 菊地, 英明, 横山, 浩二, 渡辺, 正夫, 田城, 明子, 山口, 彰, 田中, 昌博, 牧野, 勲, 宮田, 敏夫, 中川, 昌一, 鎌田, 吉和
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本肝臓学会 1983
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ISSN0451-4203
1881-3593
DOI10.2957/kanzo.24.981

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Summary:血中chenodeoxycholic acid (CDCA)を簡便に測定するため十分な精度と特異性を有するradioimmunoassayを開発し,これを用いて肝胆道疾患における血中CDCA測定の臨床的意義および胆汁酸の日内変動について検討した.その結果(1) 本assayの信頼度は交叉反応,希釈および添加試験により十分満足すべきものであった.検出限界感度は10pmoleで,血中総CDCAの測定が可能であった.(2) 血中CDCA濃度は正常人0.59±0.29nmole/mlであったが,急性肝炎,慢性肝炎,肝硬変症,肝細胞癌,閉塞性黄疸でいずれも有意に増加し,本測定も肝障害のスクリーニングテストとして有用であることを認めた.(3)日内変動分析の結果正常人の血中CDCAとcholic acid (CA)は毎食後30分にピークを形成する三峰性のパターンを示し,CDCA濃度曲線のarea under curve (AUC)はCAの約1.6倍で両胆汁酸のhepatic first pass clearanceの差を反映したものであった.一方,肝疾患における両胆汁酸濃度曲線のAUCは肝障害の重症度に比例して増大することを認めた.
ISSN:0451-4203
1881-3593
DOI:10.2957/kanzo.24.981